2015年10月27日、「慢性活動性EBウイルス感染症(以下、CAEBV)」を患い、この世を去ってしまった声優の松来未祐さん。同業者やミュージシャンなど、松来さんのことを大好きな仲間たちが、ファンの人たちと一緒に、松来さんへの思いや楽しい思い出を共有しつつ。彼女が患った「CAEBV」という病気や、「CAEBV」の治療に欠かせない「骨髄バンク」「献血」のことをもっと知ってもらおうと開催した、松来未祐さん愛悼イベント「サンキュー!未祐ちゃん」。 2016年9月11日(日)のイベント当日、会場である東京の科学技術館には1000人を越える人々が訪れました。

※イベントの様子はキャラペディア記事内にて写真を掲載しています

1階の展示ホールには、2007年の「三十路祭」を皮切りに、毎年のように開催していたバースデーライブやCDジャケットで使用した衣装、ライブTシャツを展示。

また、ご両親や友人たちから提供された松来さんとの思い出の写真の数々を展示したフォトヒストリーボードや、松来さん縁の人々からのメッセージカードコーナーも、朝9時30分の会場後から16時30分の展示終了まで、常に大盛況でした。

展示ホール横では、CAEBVや骨髄移植についての講演会も開催。11時30分からは、松来さんと同じCAEBVを患いながら、骨髄移植を受けて回復し、骨髄バンクのドナー登録や献血の推進運動にも携わっているプロスノーボーダーの荒井daze善正さんが登壇。松来さんとも交流のあったdazeさんは、松来さんの闘病中のエピソードや、自身の命を救ってくれた骨髄バンクのドナー登録者が減少していることなどを語り、ドナー登録や献血の必要性を訴えました。

13時30分からは、大学3年生だった2013年1月末に急性リンパ性白血病と診断された池谷有紗さんが登壇。2013年7月に骨髄移植を受けて、現在は大学に復学して再び学生生活を送っている池谷さんは、『もう一度生きるチャンスをくれた「骨髄移植」』というテーマで、闘病中の思いや、名も知らぬ骨髄提供者をはじめとする支えてくれた人々への感謝の思いなどを語りました。

14時30分からは、CAEBV診療の第一人者である東京医科歯科大学大学院血液内科講師の新井文子先生が登壇。『血液内科医からみた慢性活動性EBウイルス感染症』というテーマで、医師や研究者の間でもまだまだ知られていないCAEBVの症状や、現在の研究状況、今後の課題などを分かりやすく解説しました。

どの講演会も立ち見がでるほどの盛況ぶりで、公演後の質問の時間にも数多くの参加者から質問がありました。講演経験の豊富なdazeさんも「こんなにたくさんの質問を受けたことはありません」と驚きながら、参加者の熱心さに感動していました。

また、展示の開催時間中は会場入口横に献血バスが常設。イベントの趣旨に賛同した献血希望者は多く、数十分待ちの状況にもなりました。最終的には、1台の献血バスで献血可能な上限を超える70人もの参加者が献血に協力。そして、骨髄バンクのドナー登録も42人の新規登録があり、こちらも1日のイベントでは異例の多さでした。

17時からは地下のサイエンスホールでステージイベントが開催。まずは、昼間の講演会にも登壇した荒井daze善正さんをゲストに、「CAEBV」について学ぶトークコーナー。儀武ゆう子さんが聞き手となり、dazeさんの体験などを聞いていきます。

また、ドナー登録や献血を推進するため、dazeさんが中心になって、2011年から毎年11月に開催しているイベント「SNOW BANK PAY IT FORWARD」についても紹介されました。2016年は11月12日(土)と13日(日)に開催。秋の代々木公園に雪を降らせて、プロスノーボーダーらのパフォーマンスが披露される他、アーティストによるステージなども実施。今回のイベントと同じく、会場では献血や骨髄バンクのドナー登録を受け付けています。

トークショーの後は、松来さんが様々な作品で共演した声優仲間たちのビデオメッセージが上映。40人を越える声優が作品ごとに分かれて、松来さんのことを思い出しながら、笑顔で「松来未祐の流石エピソード」を披露しました。

ビデオメッセージの終了後は、いよいよライブパート。阿澄佳奈さん、大坪由佳さん、神田朱未さん、菊池達也さん、儀武ゆう子さん、榊原ゆいさん、高野直子さん、高橋美佳子さん、西村ちなみさん、広橋涼さん、水沢史絵さんと、バースデーライブなどで松来さんを支えていた三十路バンド【オバタコウジさん(G)、林由恭さん(B)、アサヒさん(Key)、杉浦"ラフィン"誠一郎さん(Mani)、Do!藤崎さん(Dr)】が、MCを挟みながら、松来さんゆかりの曲を次々に披露していきます。

5曲目「プリンセスティーチャー」の途中には、松来さんのライブで恒例だった三十路バンドのコーナーも。ベースのヨッシーこと林さんがメンバーを一人ずつ紹介した後、「今日、会場に展示されていた数々のライブ衣装。松来さんがあの衣装に着替えるための場つなぎとして、僕たちが歌わされていた曲を歌います!」とアピール。「松来さん、聴いててね〜」と呼びかけて、松来さんバージョンの替え歌にした「仮面舞踏会」を会場のファンと一緒に熱唱しました。

10曲目に松来さんが故郷の広島県呉市のことを思いながら作詞した「HOME」を全員で歌った後は、松来さんがユニット「後ろから這いより隊G」の一員として「第7回声優アワード歌唱賞」を受賞した「太陽曰く燃えよカオス」も全員で披露。会場全体が「うー! にゃー!」と大いに盛り上がりました。

その後、スクリーンに映像が上映。そこには、松来さんが吉野屋先生役として出演した『ひだまりスケッチ』の原作者・蒼樹うめ先生が日本武道館をスタートし、科学技術館を目指して走っている姿が。すでに夜なのに、映像は明らかに昼間という不思議な状況でしたが、スクリーンの中のうめ先生が無事に科学技術館へと到着すると、サイエンスホールの扉が開き、うめ先生がサプライズゲストとしてステージに登場。会場はさらに盛り上がります。

そして、うめ先生と出演者が一言ずつメッセージを語った後、最後を締めくくる曲は、松来さんの代表曲でライブの定番曲「あなたのハートにはきゅん!どきゅん!」。 しかし、この曲を歌えるのは、やはり松来さんしかいません!そこで、会場には松来さんの歌声が流れ、スクリーンには過去のライブの映像を上映。出演者たちは、客席のファンと同じようにスクリーンの松来さんに向けて、「はっきゅん!どっきゅん」などとコールして、松来さんのステージを盛り上げます。

最後は会場全員でジャンプしてフィニッシュ。ステージと客席の両方から「サンキュー!」の声が飛び交う中、松来さんへの愛のこもったイベントは終了しました。

なお、このイベントの売上は、最低限必要な運営費・製造原価などを除き全額が「慢性活動性EBウイルス感染症の研究費用」「日本骨髄バンクの運営費」「SNOW BANK PAY IT FORWARD開催費用」に寄付されます。 11月上旬には、公式ホームページにて寄付金に関する報告を掲載予定です。