「このマンガがすごい!2015」オトコ編第1位、第19回「手塚治虫文化賞」新生賞受賞、まっすぐに「いま」と向き合う少年少女の姿を等身大に描き、全世代から共感と感動を呼んだ名作、大今良時の漫画「聲の形」。京都アニメーション制作によるベストセラーコミックの映画化、映画「聲の形」の大ヒット御礼舞台挨拶がおこなわれた。

<日程>10月1日(土)18:00〜18:30
<会場>新宿ピカデリースクリーン1(東京都新宿区新宿3-15-15)
<登壇者>入野自由(石田将也役)、早見沙織(西宮硝子役)、悠木碧(西宮結弦役)、小野賢章(永束友宏役)、石川由依(佐原みよこ役)、潘めぐみ(川井みき役)、山田尚子監督

MCの呼びかけにより、主人公石田将也を演じた入野自由、ヒロイン西宮硝子役の早見沙織をはじめメインキャストを務めた悠木碧、小野賢章、石川由依、潘めぐみ、山田尚子監督が登壇。大ヒットを受け、それぞれが公開3週目を迎えた想いを伝えた。


―公開3週目を迎えて

入野:沢山の方から連絡をもらいました。大ヒットの数字とかではなく、いろんな人に届いていることを実感できて、こうして舞台に立ててとてもうれしいです。

早見:公開して3週目にも関わらずこんなに沢山の方にお越しいただいて。言葉がなくても伝わったような気持ちでうれしいです、ありがとうございます。

山田監督:久しぶりの友達から連絡をもらったり、遠くまでこの作品が届いていることを実感しています。京都アニメーションにも温かいメッセージが沢山きていて、感無量です。


―印象的なシーンは?

悠木:家族で観に行きましたが、開始10分で涙が止まらなくなり、終わって劇場を出る頃には頭痛がする位泣きました。その中でも(小学生時代の)硝子が砂をかけられるシーンがいちばん泣きました。伝えたいのに伝わらないもどかしさがありました。子供の頃が人生でいちばんマウンティングが激しい時期だと思うんですが、皆が子供の頃に感じていたものが少しずつ描かれていると思います。永束くんが出てきてくれた時はほっとして、永束くんありがとう、と思いました(笑)。親は親目線で観たらしく、観る世代でこんなにも見方が違うんだということも思いました。観終わった後、誰かとディスカッションしたくなる、そんな作品です。

小野:やーしょー(将也)と話しているシーンは全部好きなんです。こうやって友達関係って作っていくんだなというのがすごく伝わって。だから僕は最後のトイレでの将也とのシーンがいちばん印象的です。真っ直ぐで、(嫌われるのをおそれずに)恥ずかしがらないで突っ込んでいく永束君だからできたんだと思います。

石川:結弦とおばあちゃんのシーンがすきです。この2人についてはそこまで深く掘り下げて描かれてはいないのですが、西宮家の深いつながりを感じることができました。映画を観終わった後、しそジュースがいちばんに飲みたくなったくらいです!笑

潘:わたしは入野家のシーンで、将也が必死でバイトをして貯めたお金を勢いよく燃やしてしまうところはびっくりしました。わたしは母親ではないですが親心をすごく感じましたし、将也もお母さんをとても大切にしているのがとても伝わりました。マリアちゃんもすごくかわいかったです。


―それぞれのお気に入りのシーンを受けて

山田監督:(西宮家について)髪の毛の色をすごく大事にしていて、硝子はピンク、おかあさんもピンク、おばあちゃんもうっすらピンクなんです。ゆづるは黒髪だけど、おかあさんと同じ目の色をしています。

(永束くんについて)永束くんはアニメーター達の愛もすごくて(作画の)取り合いでした。笑(そこまで描かなくてもよかった)お腹の揺れ方、手のくぼみがすごくかわいいので、もしもう一度観る時はぜひそこにも注目してください。

(最後の硝子と植野の「バカ」のやりとり、手話について)じつは植野の手話は間違っていて「ハ、カ」になっちゃっているんです。濁点は手をスライドさせるんですが、それを硝子が教えてあげるんですが結果、植野に「バカ」って言ってしまっているような感じなんです。(観客から驚きの声)

手話も、指先まで神経を使って、本で覚えた将也や佐原と違って、結弦は日常の一部で使っているので小学生がヨーヨーをするみたいな、手慣れた感じでやっています。ぜひそこにも注目してみてください。


―最後の挨拶

入野:ひとりひとりに届いていることを強く感じます。「伝えたい」という思い、作品のパワーだと思います。丁寧にひとつひとつ積み重ねたシーンが沢山あるので、強めにアンテナを張ってみてもらえるとさらに楽しめるんじゃないかと思います。この作品がもっと広がって、(皆さんにとって)良い出会いに繋がればうれしいです。

早見:監督が心象風景についてお話されていたのを思い出したんですが、将也の心は沈んでいても周りの風景は雲ひとつない青空や、清みきったきれいな風景で描かれているシーンがあります。たとえ自分がどんよりしていても、じつは周りはそんなことないかもしれない、そんな気づきがありました。皆さんにも劇場を出た後、そんな風に景色が変わるような気持ちになっていただけたらいいなと思います。

山田監督:心をこめてつくりました。ご覧いただいた方にとって、明日につづく希望の光になってくれればと思います。


■STORY

ガキ大将だった小学6年生の石田将也は、転校生の少女、西宮硝子へ無邪気な好奇心を持つ。「いい奴ぶってんじゃねーよ。」自分の想いを伝えられないふたりはすれ違い、分かり合えないまま、ある日硝子は転校してしまう。やがて五年の時を経て、別々の場所で高校生へと成長したふたり。あの日以来、伝えたい想いを内に抱えていた将也は硝子のもとを訪れる。「俺と西宮、友達になれるかな?」再会したふたりは、今まで距離を置いていた同級生たちに会いに行く。止まっていた時間が少しずつ動きだし、ふたりの世界は変わっていったように見えたが――。