砺波・松村さん 工房跡 来春開館へ
 三年前に八十七歳で亡くなるまで石像彫刻を手掛けた砺波市庄川町高儀新の元石材店主、水本一太郎さんの作品を展示する美術館造りに、友人の松村優さん(71)=同=が奮闘している。同町示野にある水本さんの工房跡を手作業で改装し、陳列棚などを整備、来春のオープンを目指している。(山森保)
 松村さんは約十六年前、旧庄川町の水記念公園管理運営協議会職員として町のPRに従事していた際、水本さんと懇意になり、人柄と作品にほれ込んだ。生前も四回ほど作品展を企画。ことし三〜六月には嘱託職員として勤務するとなみ散居村ミュージアムでも作品展を開いた。
 水本さん宅や工房跡には地蔵や観音像、不動明王、七福神など高さ五十センチ前後の作品を中心に約三百五十点の作品があり、「このまま死蔵するのは惜しい」と、水本さんの長男俊一さん(62)と資金を出し合い、私設の美術館を開設することにした。
 七月から、鉄骨一部二階建ての工房跡の一階約四十平方メートルを展示スペースに、壁板を張ったり、陳列棚を作ったりしている。水本さんは亡くなる三カ月前までのみをふるっていたといい、故人をしのびながら作業を続ける。自分で図面を引き、勤務のない日はほぼ一日中作業。それでも松村さんは「楽しくてしかたがない」と話す。
 松村さんは、水本さんが二〇〇〇年に自分の古里の鹿児島県知覧町(現南九州市)の特攻平和会館に観音像を寄贈してくれたことが忘れられない。水本さん自身も出征し、九死に一生を得た経験があり、作品に仏像が多いのは「亡き戦友への供養の意味もある」と口にしていたという。
 松村さんは「口数は少ないものの作品同様、一本筋が通った、心の温かい、楽しい人だった」と話し、多くの人に水本さんの作品を見てほしいと願っている。