全国の映画ファンらに親しまれてきた富山県内唯一のミニシアター「フォルツァ総曲輪」(富山市総曲輪三)が二十二日、約九年半の歴史に幕を閉じた。来場したファンから「すごく寂しい」「再開してほしい」と惜しむ声が聞かれた。フォルツァのチーフ室伏昌子さんは上演前のあいさつで「支えてくれたのは何度も足を運んでくれた皆さんです」と感謝した。
 上映直前の午後四時ごろ。シネマホール前はチケットを手にしたファンらで大にぎわい。富山市の会社員中野優香さん(24)は「覚えていないぐらい映画を見に来た。ここでしか見られない作品がたくさんあった」と感慨深げ。同市の団体職員宗勇さん(71)は「ここはスクリーンが一つだけど、いつも見応えのある映画をやっていて満足して帰れた」と名残惜しそう。
 上映前にはトークショーなどこれまでに開かれたイベントを振り返るスライドショーもスクリーンに流し、歩みを振り返った。室伏さんは「休館ですが、いつか再開すると思うので忘れずに応援してください」とメッセージを贈った。
 フォルツァは、二〇〇七年二月に市中心部にあった閉館後の映画館を活用して開館。シネマコンプレックスとは違った世界中のドラマやドキュメンタリー作品など千二百本近くを上映してきた。総入館者数は約十四万人。富山市の第三セクター「まちづくりとやま」が運営してきたが、建物の老朽化や客足の減少、近隣にシネコンがオープンしたことなどを理由に休館が決まっていた。併設するライブホールは三十日まで開いている。 (山中正義)