味わい深いフィルム映画の魅力を伝えたいと、金沢大と金沢美術工芸大の学生が上映技術を継承しようと奮闘している。35ミリ映写機を2台を備える金沢市の金沢21世紀美術館と協力し10月1、2日に上映会「アイ色のシンデレラ」を開催。120年ほどかけて培われてきたフィルム映画という文化遺産を受け継ぐ。(蓮野亜耶)
 「フィルムに指紋を付けないように気を付けて」「映写機にほこりがあると、フィルムが傷ついて使い物にならなくなる」。21世紀美術館の映写室。学生七人が、協力している金沢シネモンドの上野克支配人からフィルムの仕組み、設置の仕方を学んでいる。
 ねじれていないか、たるんでいないか。学生が恐る恐るフィルムを映写機に取り付ける。金沢大二年の杉山巧馬さん(20)は「フィルムを掛ける工程の一つ一つに意味があると理解して行わないといけないなと感じた」。手順を覚えようと熱心にメモを取っていた。
 上映会は、金大と美大の映画研究会の学生が中心となって二〇一四年から企画し、今回で三回目。デジタル映像を見慣れた学生には、フィルム映画は映像が上下に小刻みに揺れたり、黒色が美しい点が魅力的という。
 若い世代にもフィルム映画に興味を持ってもらいたいと、幅広く人気がある薬師丸ひろ子さんや原田知世さんらのデビュー作を中心に選んだ。
 フィルムを一切使わない映画も増え、一二年には国内最大手のフィルム映写機メーカーが破産。大手シネマコンプレックスでもフィルム映画を見たことがない職員が増えているという。金沢美大三年の川辺優美子さん(21)は「フィルム映画の魅力だけでなく、長い間培われてきたフィルム文化をどうやって残していくかを考えるきっかけにしてもらえたら」と語った。
来月1、2日上映会
 「アイ色のシンデレラ」の上映は午前十時から。一日は「時をかける少女」「野菊の墓」「セーラー服と機関銃」、二日は「伊豆の踊子」「ぼくらの七日間戦争」を上映。二日午後三時から「ぼくらの七日間戦争」で監督を務めた菅原比呂志さんのトークショーもある。一回のみの鑑賞券は一般五百円、大学生以下三百円。フリーパスは一般千七百円、大学生以下千円。問い合わせは金沢21世紀美術館=電076(220)2811=へ。