琵琶湖の味として県がブランド化を進めている八種類の魚介類「琵琶湖八珍」のきっかけを作った県文化財保護協会普及専門員の大沼芳幸さん(62)=大津市=が、湖魚料理の本「琵琶湖八珍−湖魚の宴絶品メニュー」を出版した。「琵琶湖の幸を広く発信したい」と話している。
 文化財の専門職員として県に採用された大沼さんは、もともと漁労文化史が専門。県立安土城考古博物館(近江八幡市)の副館長だった二〇一三年、琵琶湖の漁業や食文化の特別展を開いた際、湖魚食の普及を目指して琵琶湖八珍の考案・選定に携わった。
 琵琶湖八珍は、二〇一五年度から県水産課がブランド化推進事業を始めたほか、取り組みが日本博物館協会の奨励賞を受けるなど評価を受けた。
 本の執筆は、湖魚食のおいしさ、食べる楽しさをより広く知ってもらおうと、昨年五月から半年かけて取り組んだ。ビワマス、ニゴロブナ、ホンモロコなど本来の琵琶湖八珍の八種に加え、大沼さんおすすめのウナギ、コイ、イワナなど八種を選んだ「裏八珍」、ブラックバスやブルーギルなど外来種四種を合わせた二十種で、計二百七十種類にも上る料理法をまとめた。
 料理の紹介に使った写真は、店を取材したり、自分で調理したりして全て自前で撮影。琵琶湖での漁具や漁法、湖魚料理で飲みたい日本酒なども合わせて紹介した。「琵琶湖の魚の料理を楽しむ百科事典になったと思う。湖魚料理を食べる楽しさを知ってもらえたらうれしい」と話す。
 大津市の「海青社」から出版し、全国の書店で販売される。A5判百九十六ページ、千九百八十円。電子書籍版もある。

 (角雄記)