世界中で話題になっているドキュメンタリー映画『ランドフィル・ハーモニック(原題) / Landfill Harmonic』について、製作者兼共同監督ジュリアナ・ペナランダ=ロフタス、音楽教師ファビオ・チャべス、そして子供たち、アダ、ノエリア、アスザナが、9月7日(現地時間)ニューヨークのシェラトン・トライベッカ・ホテルで語った。

 南米パラグアイの首都アスンシオンの郊外に位置するカテウラは、国内最大のゴミの埋め立て地のある町。そのスラム街付近で暮らす子供たちを相手に、教会の聖歌隊のディレクターのファビオ・チャべスは、ゴミから作った楽器で音楽教育をすることを決意し、「リサイクル・オーケストラ」を結成する。子供たちがさまざまな楽器でその才能を開花させ、いつしか海外でツアーを行うまでになり、ついに米ヘビメタバンド、メガデスと夢の共演を果たすことになる。

 製作のきっかけについてジュリアナは「2009年に本作の製作総指揮を務めたアレハンドラ・アマリージャとわたしは、アレハンドラの出身地パラグアイでドキュメンタリーの題材を探していたの。そのリサーチの過程では、パラグアイでろくに医療などのサービスを受けていない子供たちに焦点を当てた映画を描き、その作品を通して彼ら子供たちのために資金集めをしようと考えていた。けれど、そのリサーチの最終日に、わたしたちはファビオ・チャべスに出会ったの」と明かした。

 オーケストラのメンバー、アダの父親は音楽に詳しく、彼女に大きな影響を与えたそうだ。「わたしの父は、わたしとノエリアが幼い頃から音楽が好きになるようにさまざまな影響を与えてくれた。でも、この町で音楽を勉強する機会がなくて、最初はスポーツをしていたの。だから、『リサイクル・オーケストラ』の話を聞いて、それに参加することを決めたら、音楽好きの父と祖母がとても喜んでくれたわ」と照れながらも、アダが子供たちの中で唯一答えた。

 ゴミから楽器を作る過程について、音楽教師ファビオは「まず、われわれの仲間コラ(楽器をゴミから作る人物)の一人が、ゴミの埋め立て地から、楽器が作れそうな素材を探し出してくる。楽器によってそれぞれ素材がメタルだったり、木材だったりするが、その素材は事前に僕がどういったものが欲しいかをコラに伝えている。ただ、バイオリンやチェロなどの弦楽器の糸だけは、音楽の店で買っている」と答えた。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)