米国の男女同権運動を描いた話題作『イーコル・ミーンズ・イーコル(原題) / Equal Means Equal』について、カマラ・ロペス監督が8月30日(現地時間)ニューヨークのAOLで開催されたイベントで語った。

 本作は、米合衆国憲法の男女不平等な現状を、給料、法的保護、産休、家庭内暴力、貧困などさまざまなアングルから捉え、統計や役人たちへのインタビューを通して浮き彫りにし、憲法修正を訴えたもの。パトリシア・アークエットが製作総指揮を務めた。

 製作経緯について「まず、わたし自身が男女同権を把握しようと思ったことから始まり、そこで男女同権を扱った映画を探したら、そのような映画は発見できなかった。米国の一般女性を守るべき憲法を映画内で分析しながら把握し、(女性の)草の根運動を盛り上げていくような映画がなかったことに驚かされた。われわれがいまだに男女平等ではないことを理解していないことは、米国で51%の人口を占める女性への人権侵害に値するわ」と語った。実際にアメリカの80%の人は、法的に平等だと信じていて、彼女自身もかつてそうだったと明かしている。

 今作では広範囲で男女不平等を描いている。「まず、どんなことに女性が傷つき、どこで女性が問題を抱えているかを調べ始めたの。そのリサーチを終えたときには、26ものカテゴリーに仕分けされた。その中には移民女性の権利、ネイティブアメリカン居留地の女性の権利などさまざまな分野が含まれていて、それをまとめて撮影したオリジナルカットは7時間半もあった。でも米国には女性が1億6,100万人(2015年)もいるので、彼らを描くためには10時間ぐらいの番組が必要だと思ったくらい」と答えた。さらに彼女は、今作はKickstarterのクラウドファンディングによって製作されたことも説明した。

 ERA(男女平等憲法修正案)とは?「われわれの憲法は1787年に作成され、その時点の女性は男性の所有物みたいなもので、当時の主婦の法的な規範は、当時の奴隷を働かせる法的な規範と同様なものだった。でも1920年に女性参政権が得られた。それが唯一、平等である権利だけれど、(女性たちには)それで勘違いをしないでほしい。なぜなら、女性が差別を受けた法的な事件を最高裁判所で裁くときに、憲法にない平等な権利を指摘することはできないから」と語り、さらにERA採択のためにより多くの女性の政界進出を訴えた。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)