来月25日から開催される「第29回東京国際映画祭」のラインナップ発表記者会見が26日、都内で行われ、コンペティション部門をはじめ、各部門の出品作品ならびに審査委員が発表された。会見にはコンペ部門に出品される『アズミ・ハルコは行方不明』の蒼井優、松居大悟監督、『雪女』の青木崇高、特集上映「映画監督 細田守の世界」が行われる細田守監督が出席した。

 「国内外へ向けた映画の情報発信基地」「クリエイターに陽を当て、世界へ羽ばたくステージを作る」「未来の映像作家・映画ファンの創出」「誰もが参加したくなる映画祭」というコンセプトのもと、今年も開催される東京国際映画祭。その中心となるコンペ部門には、98の国と地域から1,502作品の応募があり、その中から16本の作品が選ばれた。

 プログラミング・ディレクターの矢田部吉彦氏は「世界の秋の新作、監督の個性、世界の広い範囲を網羅する」というコンセプトの中から、珠玉の16本を選出。日本代表としてコンペに挑むことになった蒼井は「松居監督のどうしても東京国際映画祭に出たいという思いを近くで見ていたので、コンペティション部門に選出してもらえて良かった。監督は落ち込むときはトコトン落ち込んでしまう人なので、良いときと悪いときの両方の対応を考えていました」と笑うと、松居監督も「3年前には日本映画スプラッシュ部門に出品させていただき、また戻ってきたいと思っていました」と感無量の表情を浮かべていた。

 コンペ部門の国際審査委員も発表され、審査委員長は『ベティ・ブルー/愛と激情の日々』のジャン=ジャック・ベネックス監督、審査委員は『エヴェレスト 神々の山嶺』の平山秀幸監督、イタリア人俳優のヴァレリオ・マスタンドレア、『スポットライト 世紀のスクープ』のプロデューサーであるニコール・ロックリン、香港のメイベル・チャン監督が務める。そのほか、女優の黒木華が映画祭の「顔」であるフェスティバル・ミューズに起用されることも発表された。

 また、アニメーション特集「映画監督 細田守の世界」が上映される細田監督は「こうしてまとまって自分の作品が上映される機会は初めてなので、とても光栄です」と笑顔を見せると、自身が携わったテレビアニメや短編アニメも上映されることに「懐かしい半面、照れくささもありますが、どれも映画のつもりで作っていたので、アニメーションの技法を使って、新しい映画の可能性を皆さんと一緒に探っていけたらいいですね」と特集上映に意欲を見せていた。(磯部正和)

コンペティション部門出品作品
『7分間』(イタリア=フランス=スイス、ミケーレ・プラチド監督)
『天才バレエダンサーの皮肉な運命』(ロシア、アンナ・マティソン監督)
『誕生のゆくえ』(イラン、モーセン・アブドルワハブ監督)
『ビッグ・ビッグ・ワールド』(トルコ、レハ・エルデム監督)
『ブルーム・オヴ・イエスタディ』(ドイツ=オーストリア、クリス・クラウス監督)
『ダイ・ビューティフル』(フィリピン、ジュン・ロブレス・ラナ監督)
『フィクサー』(ルーマニア=フランス、アドリアン・シタル監督)
『アズミ・ハルコは行方不明』(日本、松居大悟監督)
『ミスター・ノー・プロブレム』(中国、メイ・フォン監督)
『パリ、ピガール広場』(フランス、モハメド・ブロクバ監督)
『私に構わないで』(クロアチア=デンマーク、ハナ・ユシッチ監督)
『サーミ・ブラッド』(スウェーデン=デンマーク=ノルウェー、アマンダ・ケンネル監督)
『シェッド・スキン・パパ』(中国=香港、ロイ・シートウ監督)
『空の沈黙』(ブラジル、マルコ・ドゥトラ監督)
『雪女』(日本、杉野希妃監督)
『浮き草たち』(アメリカ、アダム・レオン監督)

第29回東京国際映画祭は10月25日〜11月3日、六本木ヒルズ、EX THEATER ROPPONGI ほかにて開催