俳優の西島秀俊が15日、都内で行われた映画『ダゲレオタイプの女』の初日舞台あいさつにゲストとして出席し、黒沢清監督の世界デビュー作となった本作について「嫉妬しました」と心の内を明かした。

 本作は、パリ郊外を舞台に、被写体に苦痛を強いる写真撮影法「ダゲレオタイプ」が引き寄せた愛と死を描くホラー。西島は「(主演の)タハール・ラヒムじゃなくてすみません(笑)。ただのファンです」と自嘲し、「黒沢監督が撮る、日本の白い壁紙や蛍光灯といった寒々しい世界も好きなんですけど、今回の青いドレスの女性だったり、ブルーのドアや壁の色、階段など、こういうゴシックな世界を黒沢さんは本当は撮りたかったんじゃないのかなと思って、嫉妬しましたね」と黒沢作品には欠かせない俳優ならではの感想を語った。

 オールフランスロケ、全編フランス語に挑戦した黒沢監督は「日本以外の国で映画を撮ってみたいというのは昔からの夢でしたし、おそらく多くの日本の映画監督はそういう夢を持っていると思います。この年になって実現できたというのは本当に幸運だった」と感慨深げ。日本の撮影現場だと曖昧な表現になってしまいがちなものの、フランスでは優秀な通訳が命令形で訳したおかげで撮影はスムーズに進んだといい、「人って、簡略化して訳すとテキパキと動くものですね(笑)。日本より、スタッフも俳優も一丸となって、僕のやりたいことを実現するよう動いてくれていました」と笑顔で振り返った。

 自身も海外作品への出演経験がある西島は「監督が一人で乗り込んできて、その国のスタッフ、キャストとやるっていうのを、たまたま僕は何本か経験していて。スタッフが一緒に行くのとは全然違うからその大変さを知っているんですけど、(黒沢)監督は結構楽しんでやられていたようなので、それもすごいなと思いました」と感心していた。(取材・文:岸豊)

映画『ダゲレオタイプの女』は公開中