ラジオDJやナレーターとして活躍する小林克也が、自身のキャリアを切り開いた洋楽との出会いや「音楽が最高に輝いていた時代」と評する1980年代の音楽について思いを語った。

 15歳のときにFEN(米軍の極東向け放送)から流れていたエルヴィス・プレスリーの「ハートブレイク・ホテル」(1956)に衝撃を受けたという小林。「何回聞いても、なんて言っているのかわからない。でも聞いていると気持ちよくなって歌いたくなった」と述懐する。「アメリカでもPTAは大反対だったけどティーンエイジャーはすごい盛り上がっていて『これだよこれ!』って感じだった。僕らの年代の男はみんなホウキをギター代わりにしてマネしたんだよ」と笑う。

 プレスリーを通じて映画にも関心を持ち、映画のセリフで英語も学んだ小林は、1981年にテレビ朝日で放送がスタートし、現在もBS朝日やFM局などでオンエアされている音楽番組「ベストヒットUSA」のMCとしても知られている。「今はYouTubeなどで(音楽ビデオなど)情報がたくさんあるが、80年代はあの番組が入口だった」と洋楽ファンを引っ張ってきたことを自負し、当時の音楽シーンについて「ジャンルの多様化、ミュージックビデオの流行など、まさに音楽が最高に輝いていた時代」と振り返る。

 また、映画のサウンドトラックに変化が生じたのも80年代の特徴の一つだという。小林によれば、1950年代から60年代はニーノ・ロータやフランシス・レイといった映画音楽の作曲家たちが「映画とともに」音楽を作ったが、80年代はシーンとの連携や演出よりも、作品の色づけやアーティストを売るために音楽が映画に入るようになったそうだ。

 「音楽は魂が喜ぶもの。いい音楽との出会いは人生の楽しみ。幸せの一つ」と音楽を愛してやまない小林。今月28日、29日に東京ドームシティホールで開催される、80年代のベストヒットをフルオーケストラで再現するコンサート「ベストヒット80’s ミーツシンフォニー」ではMCを務める予定だ。(取材・文:岩崎郁子)

「ベストヒットUSA『80年代最強女性アーティスト』」は10月7日夜11時からBS朝日にて放送