女優の上野樹里が8日、新宿バルト9で行われた映画『お父さんと伊藤さん』初日舞台あいさつに出席し、本作のインタビュー中に泣き出したことがあったと明かした。この日はリリー・フランキー藤竜也タナダユキ監督も登壇した。

 心のおもむくままに過ごす30代の女性(上野)と20歳上の恋人(リリー)、そして彼女の父親(藤)の共同生活をユーモラスに描いた本作。上野は「満席でうれしい限りです」と笑顔で、リリーも「撮影中はこんな地味な映画を誰が観るんだろうと言っていたんですけど、『君の名は。』にも行かず『シン・ゴジラ』にも行かずにここに来てくださって。ここにいる方の心の健やかさを感じますね」と謝辞を述べた。

 本作のPRのために、100社以上の取材を受けたという上野。女性のインタビュアーが思いを抑えきれず泣き出したことが数回あったといい、「わたしはここで共感して、ここが好きでと説明していたら、気付いたら感極まって二人で泣いていたケースがありました」と打ち明ける。「映画の取材で泣いた経験がないなぁ」というリリーは、「『SCOOP!』の取材も半笑いでしたけどね」と薬物中毒の情報屋を演じた作品を持ち出して会場を笑いに包んだ。

 リリーによると「二人は本当のお父さんと娘さんのようで、そんな二人のところにお呼ばれしている不思議なおじさんという気分だった」といい、藤も「あだ名をつけたんだよ。リリーさんは“おじさんの妖精”。樹里さんは“シティ派ワイルド・キャット”」と笑顔を見せる。藤が「僕は車で言うとクラシックカーだけど、リリーさんは新型のポルシェ」と独特の表現で称賛すると、リリーは「僕なんか廃車ですよ。部品だけとってくださいという感じ」と応じていた。

 また、本作の評判をインターネットで調べたという藤は「少しけなされるくらいがちょうどいいんだけど、みんな褒めているんだよね」とコメント。横浜では、藤の家族が映画を観たばかりだったそうで、「さっき電話したら最後のシーンで樹里さんはどこに行ったのか、(中華レストランの)王将でみんなで議論をして、盛り上がっていたらしいですよ」と報告して会場を沸かせた。(取材・文:壬生智裕)

映画『お父さんと伊藤さん』は公開中