第21回釜山国際映画祭で12日(現地時間)、『ブリード・フォー・ディス(原題) / Bleed for this』の上映にあたり、観客を集めてのオープン・トーク・イベントが行われ、ベン・ヤンガー監督、主演のマイルズ・テラー、共演のアーロン・エッカートが登壇した。

 まず監督が「僕らみんな韓国に来たのは初めてですが、こんなに大勢の人に来てもらえてうれしいです。アメリカ映画を紹介できる機会が持てたことに感謝します」とあいさつした。続いて、ボクサー、ビニー・パジェンサを演じたマイルズ・テラーは「長いフライトだったけどみんなに会えてうれしい」と笑顔を見せ、ビニーを世界チャンピオンに導いたトレーナーを演じたアーロン・エッカートは「アンニョンハセヨ」と韓国語であいさつ、「愛してるよ」と英語で言うと会場の女性たちから悲鳴に近い大きな歓声があがった。

 本作はアメリカのボクサー、ビニーの壮絶な実話をベースにした物語だ。ライト級とスーパーウェルター級の世界チャンピオンになった直後の自動車事故で首の骨を折り、復帰不可能といわれる中、無謀にもトレーニングを開始し、見事ボクサーとして復帰後、スーパーミドル級チャンピオンとなるまでを描いている。

 実在の人物を演じることについてマイルズは、「真摯に演じたつもりだ」と答えたあと、「首を骨折した後のビニーは、子供のころから夢見てきたボクサーに(再び)なることを強く信じてトレーニングをしたんだ。そういうテーマを伝えられたらと思う」と本作のテーマに言及した。

 ビニーのトレーナー役のアーロンは、「ボクサーを演じるにはしっかりとした振り付けが必要なんだけど、トレーナーはそれとは別の動きで一緒に演じるんだ。それはボクサーの夢をかなえるために身体的だけではなく心へ働きかける演技なんだ」と語った。続けて「この映画を観て感じてほしいことは、“家に閉じこもらず、夢に向かって表に出ること、そして自分を信じて進んでいくこと”だよ」と会場に語りかけると、大きな拍手が上がった。

 観客からの質問を受け付ける際には、ひとりずつ舞台に上げて丁寧に答える3人の姿に、観客は大興奮しており、映画同様に感動のオープン・トークを体験できたようだ。(取材・文:芳井塔子)