女優の早見あかりが、最新主演ドラマ「福家堂本舗 -KYOTO LOVE STORY-」で老舗和菓子店の天真爛漫な次女・あられをみずみずしく演じている。2011年にアイドルグループ・ももいろクローバー(現・ももいろクローバーZ/以下、ももクロ)を脱退後、女優として着実にキャリアを積み重ねて約5年。「女優は天職かもしれない」と思えるようになったという早見が、これまでの道のりを振り返った。

 Amazonプライム・ビデオにて独占配信される本ドラマは、遊知やよみ原作の人気コミックを実写化したラブストーリー。京都の老舗和菓子店を舞台に、長女の雛(佐々木希)、次女のあられ(早見)、三女のハナ(宮野陽名)のそれぞれの成長や恋愛模様が胸キュンシーン満載で描かれる。毎話登場する彩り豊かな創作和菓子や、日本情緒あふれる京都の町並みも眼福。

 天真爛漫でちょっぴりガサツ。幼いころから恋心を抱いていた職人・健司(市原隼人)になかなか素直になれない意地っ張り。人間味あふれる等身大の女の子・あられは、早見の魅力を存分に引き出すハマリ役だ。「脚本を読んだ時点で、『あれ? これ、役づくり必要かな』と思うくらい自分の素に近かった。感情の起伏が激しいところも、早見あかりとまったく同じ」と述懐。漫画原作の実写化に対するプレッシャーもあったようだが、「原作ファンの方にも納得していただけるものを全力で作りました」と自信をのぞかせる。

 ももクロを脱退して5年余り、バラエティー番組やモデルなどの仕事も経験値として蓄えながら、一歩一歩、女優の道を歩んできた早見。最近になって、ようやく「女優って天職かもしれない」と思えるようになったそうだが、当初は手探り状態だったという。「ももクロを卒業するときに『女優になりたい』と言ったのは、純粋にお芝居をもっとやってみたいという思いがあったからで、じゃあ、本気で『女優でゴハンを食べていく覚悟があったか?』と聞かれたら、正直、そこまではなかったかもしれない」と吐露。

 だが、転機は高校卒業のタイミングでやってくる。「ももクロ卒業後、お芝居の仕事を少しずつやらせていただけるようになり、その中で高校卒業後の進路を考えたとき、『大学は行かない』と決断しました。それはつまり、『女優として生きて行くんだ』という覚悟がわたしの中で固まった瞬間だったと思うんです」と振り返る。

 女優として走り続けた約5年。「あっという間だった」という早見は、「いい意味でも、悪い意味でも、何も覚えていないんです。撮影で必死に過ごした数か月間をすぐ忘れちゃうんですよね」と苦笑いする。それは早見の天性でもあるが、5年間、現場で辛苦を味わってきた経験から生まれたコントロール術でもあるようだ。「わたしの頭の容量はすぐにいっぱいになるので、忘れないと次に進めないんです。根を詰めすぎて、つらくなって、爆発した経験が多々あるので、とにかく何事も考えすぎないこと」と表情を引き締める。

 経験の中で徐々に成長していった早見は、「寝坊しない、人に迷惑をかけない、それだけをきちんと守って、あとは余計なことは考えず、お芝居をとことん楽しむこと」を今は心掛けているという。そんな彼女にとって、あられ役は、まさに待ちに待ったハマリ役。「これまで殺人嗜好症とか、漫画研究部の変わった女の子とか、とにかくキャラの濃い役が多かったので、今回は素直にうれしかったですね。演じていて本当に楽しかった」と満面の笑みを浮かべていた。(取材・文:坂田正樹)

「福家堂本舗 -KYOTO LOVE STORY-」は10月19日よりAmazonプライム・ビデオにて配信スタート