映画『雨に唄えば』『ウエスト・サイド物語』などに出演し、60年以上も映画、舞台、テレビの世界で幅広く活躍してきた女優のリタ・モレノが、Netflixの新作ドラマ「ワンデイ-家族のうた-」やこれまでのキャリアについて、1月5日(現地時間)ニューヨークのAOL開催のイベントで語った。

 本作は、3世代のキューバ系アメリカ人の家庭を舞台に、お節介な母親(リタ)や、年頃の2人の子どもを持つシングルマザー(ジャスティナ・マシャド)の奮闘を描いたコメディー作品。製作ノーマン・リアが、1970年代に手掛けた人気番組をリメイクした。

 役柄についてリタは「リディアはうぬぼれが強く、自分は神の恩恵を受けていると思っているの。実は、彼女の話し方は、わたしの母を真似しているの。わたしが過去に主演した舞台『The Ritz』の役柄グーギー・ゴメスも母がモデル。母のアクセントには、当時随分恥をかかされたわ。子どもの頃、ある夏の暑い日に友人がわが家を訪れたとき、母が『今からピクニック用のランチを持って、ビッチ(ビーチの発音のつもり)に行って泳ごう』と言ったの」と明かした。そのときは友人の前で、かなり恥ずかしかったそうだ。

 リタはプエルトリコ系のため、自分が望む役を得ることが難しかった時期があったという。「あのときは、全ての人種を演じられるように発音を勉強したわ。当時は肌の色が濃ければ、そのキャラクターが自分とは異なる国の人種でも演じていたわ。だから世界中の肌の色の濃い人種の発音を覚えるようになったの。『王様と私』のときはタイの女性で、そのほかにハワイ、ネイティブ・アメリカンの女性を演じたときもそうだった。ただわたしが一人で多様な人種を演じるのは、なんだかその人たちを侮辱しているように思えたからあまり気が進まなかった。でも当時は仕事がなくて、演じるしかなかったの」。

 アカデミー賞助演女優賞に輝いた『ウエスト・サイド物語』について「いつか、ある人がわたしの演技を見て、この女性には才能があると言ってくれるのを待っていたけれど、(良い役である)あの作品に出演するまで、かなり時間がかかったわ。わたしが、あの作品に出演したときはもう30歳近くで、アニタ役はほぼティーンエイジャーの設定だったの」と裏側を明かした。(取材・文:細木信宏/Nobuhiro Hosoki)