ベジタリアンの可憐な少女が全寮制の獣医大学に入ったことで食人に目覚めていくさまを過激かつスタイリッシュに描いたフランス映画『ロー(原題) / Raw』から、R指定のアメリカ版予告編が公開された。なかなかグロテスクなので、食事の直前もしくは直後なら観ない方がいい。

 予告編は、突然何者かが田舎道を走る車の前に飛び出すという不穏なシーンからスタート。新入生シゴキが伝統となっている獣医大学で、主人公ジャスティンら新入生が血をかぶせられたり、生肉を食べさせられたり、過激なパーティーに参加させられたりするさまが、セリフなしで次々と映し出される。最後には、生肉の味を覚えて猛烈な空腹感にさいなまれるようになったジャスティンが、恐ろしい形相で食人に走るシーンも……。

 予告編では不気味な音楽と共にショッキングなシーンが続くが、本編は、家族や学校といったシステムの中で人間がどう変容しアイデンティティーを形成していくのかをテーマにした驚くほど上質な作品となっているので、映画ファンは必見。フランス語のセリフやビジュアル&音楽(ベン・ウィートリー監督とのタッグで知られるジム・ウィリアムズ)は洗練されていてスタイリッシュでもあり、第41回トロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門などで上映されてすでに多くのファンを獲得している。

 メガホンを取ったのは、気鋭の女性監督ジュリア・ドゥコノ。3月10日よりアメリカ公開される。(編集部・市川遥)