日本自動車ジャーナリスト協会(略称:AJAJ)のメンバーは、すべての自動車ユーザーのために正しい情報を伝える義務があると考えます。

技術の進歩は著しく、クルマは先進技術を搭載することでより安全性が増し、より快適なドライブが可能になりました。P1280502_s

しかし、そんな先進技術もユーザーが誤解し、間違った取り扱いをすると逆に事故を招いてしまうこともあります。同じ技術でも、表現の仕方で受け取り方が大きく異なることもあるからです。

以上の観点から、最近話題の先進技術に関してAJAJのITS分科会で討議し、リーダーの西村直人さんに提案としてまとめてもらいました。

 

昨今「自動運転」という言葉を多くのメディアが使い始めています。ところが、ドライバーが介入せずとも自動運転が成立するクルマはまだ販売されていません。

現在、前走車を認識しアクセルとブレーキをコントロールして車間距離を保ちながら連続走行を行なう「追従走行支援機能」(例:アダプティブ・クルーズ・コントロール)や、車線の中央付近を保つようにステアリング操作をサポートする「車線中央維持支援機能」(例:レーン・キープ・アシスト)、さらには自動車専用道路などでドライバーのウインカー操作をきっかけに車線変更を行なう「車線変更支援機能」(例:アクティブ・レーンチェンジング・アシスト)といった数々の運転支援技術が実用化され、普及率も上がってきています。

こうした運転支援を行なう先進安全技術は、ADAS(アドバンスド・ドライバー・アシスタンス・システム)とも呼ばれており、将来の自動運転社会を形成する要素技術として注目されています。そのため、世界中の自動車メーカーや部品メーカーを中心にさらなる進化を見据えた研究開発が続けられています。

ただし、現段階ではADASを備えていても、発生した事故の責任をドライバーが負うことに変わりはありません。そもそも、自動運転社会とは技術の進化、法整備、社会とのコンセンサスなど多面的に模索しながら段階的に実現を目指すべきものです。よって、現時点で「自動運転」という言葉だけが一人歩きすることは、ドライバーに時期尚早の過大な期待や過信、ひいては自動運転社会への誤解を抱かせてしまいます。

ITS分科会で検討した結果、AJAJとしてはADASを搭載したクルマの機能を自動運転とは呼ばず、「運転支援」、また自動運転技術ではなく「運転支援技術」と呼んでいきたいと考えています。また同時に、普及しつつある要素技術が次々と昇華され、高度に連携することで、人と社会にやさしい真の意味での自動運転社会が誕生する、そんな理想も思い描いています。

自動運転を開発するために公道でテスト走行をする車両につけられるアメリカのナンバープレート

自動運転を開発するために公道でテスト走行をする車両につけられるアメリカのナンバープレート

AJAJ ITS分科会リーダー/西村直人

 

ドライバーの皆さんには、このご提案のご一読をお願するとともに、ご一考いただければ幸いです。

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(AJAJ会長 菰田 潔)