47都道府県、各地のビールスポットを訪ねます。福井でコロカルが向かったのは、高浜町にある若狭和田海水浴場。

世界的な環境認証を取得した美しいビーチ

東海道新幹線から在来線に揺られて、合計4時間半。福井県嶺南地域にある高浜町は、関東からは本当に遠く感じます。でもそれ以上に、福井県北部の嶺北地域に住む県民にして

「遠いから行ったことがない」

「あそこは北陸ではなく関西」

とまで言わしめる、遠隔地の模様。いったい、高浜町ってどんな秘境!?

駅に着き、海を目指すと、海岸沿いの駐車場には、ずらり関西圏ナンバーの車が並んでいました。海水浴、サーフィンにと、お隣の京都をはじめとする京阪神から足繁く通ってくる方が多いのだそうです。

海を愛する人たちがここに惹かれる理由は、なんといっても景観の美しさにあります。私たちも、晴れた日の澄み渡るようなマリンブルーの海に驚き、勝手に抱いていた日本海特有の荒波イメージが、がらりと変わってしまいました。

今年2016年4月には高浜にある海水浴場のひとつ、〈若狭和田海水浴場〉がアジアで初めて〈ブルーフラッグ〉を取得。ブルーフラッグとは、ヨーロッパを中心に50か国、約4000か所で取得されている国際環境認証で、水質や環境マネジメント、環境教育やバリアフリー、安全・サービスなど4分野33項目の認証基準を設けています。

高浜町がブルーフラッグ取得に乗り出したのは、100年後も美しいビーチを子どもたちに残していこうという思いと、誰もが安全に楽しめる海を目指したかったから。地元の若狭和田ライフセービングクラブはアクティブな活動で知られており、バリアフリーな海を目標にしていくために、毎年更新していくための継続的な取り組みを必要とされるブルーフラッグへのチャレンジが必要なのです。

今年は海岸のあちこちにかかるブルーフラッグのおかげで、騒音などマナーの悪いお客さんが減ったという地元の声も。前年比で18%ものお客さんが増えたそうです。

若狭和田海水浴場。ブルーフラッグ取得以前から、住民やビーチ関係者は清掃に力を入れてきました。取得後も、以前と変わりなくゴミひとつ落ちていないきれいな浜辺を保っています。

太陽の光を受けると、透き通るように底が見えます。砕けた貝殻がつくり上げた白い砂浜が青空を反射するため、晴れた日は明るいマリンブルーのビーチに見えます。

高浜人のこだわりが詰まった〈曙バーガー〉とは!?

そんな美しい海を眺めてビーチで食べたいのが、高浜町のご当地バーガーの〈曙バーガー〉!ビーチでハンバーガーとビールなんて、最高の組み合わせ。

福井のブランド牛、若狭牛を贅沢に使ったこのハンバーガーは、全国の珠玉のご当地バーガーが一堂に会する「とっとりご当地バーガーグランプリ」で2度も入賞を果たした評判のバーガーです。お気に入りのハンカチをランチョンマットにし、ボリュームのある曙バーガーを、がぶり。

すると、じゅわっとあふれる肉汁!卵や野菜にかかった濃厚なタルタルソースと一緒に香ばしいテリヤキソースが口の中いっぱいに躍ります。それを冷えたビールで喉の奥に流し込むと、思わず目を閉じて「ううむ、なんと完璧な組み合わせ」とはるばる遠方から来た甲斐を感じ、この口福を噛み締めてしまうのでありました。

実はこの曙バーガー、地元の素材をふんだんに使っているつくり手の“高浜愛”が詰まったハンバーガーで、中身には相当なこだわりがあります。

パテは町内で育てている黒毛和種の若狭牛100%にこだわり、レタスや玉ねぎなどは地元の農園からのものを使用。現場でフレッシュな状態で和えるタルタルソース、長時間じっくりと煮込む秘伝のテリヤキソースは、前年の残りをとっておき継ぎ足しているので、年々深みを増しているそうです。ピクルス代わりには、地元の家庭ではよくつくられる郷土料理、“若狭漬け”(キュウリのしば漬け)が入っていました。これが、意外と合うのでびっくり。このすべてを受け止めるバンズは、選りすぐりの小麦を使い、地元のパン屋さんが焼いてくれています。

曙バーガーには、店主はいません。そもそも、まちの中にお店がないのです。10年前に地元有志で結成した食のユニット〈曙食道〉が開発した曙バーガーは、ビジネス化しないまま、地元で開催されるイベントのときだけ出店しています。「毎年、うちの旅館で集まってつくるんだけど、シーズン始めは喧嘩になるくらい真剣な打ち合わせになって、大変よ(笑)」と言うのは、曙食道のリーダー的な存在のひとりである〈おき田旅館〉の女将、沖田玲子さん。

せっかく若狭牛を扱うならばすべてをそれに見合う食材にしたい、もう少し現場で早くお客さまに提供できるように簡素化したいなど、それぞれ関わるスタッフの主張が強く、プライスと寄り添わせるのが大変なんだそう。だって、こんなにこだわりのあるバーガーが、1個600円だなんて信じられますか!?

それもこれも、「地元高浜を代表するハンバーガーなんだから」という郷土を想う気持ちの強さから。

高浜は海岸沿いにいくつもの海水浴場があり、昔から海水浴場ごとにイベントが開催されてきたことから、むしろ、地域のイベントには積極的に関わることのほうが当然なんだとか。

「他県で開催される夕方からのイベントに出店するときなど、ほかの店舗はお昼から準備を始めるのに、曙食道だけは朝9時から全員集合して下準備を始めるという熱の入れようなんです」というのは、チームの一員、高浜町役場の建設整備課で働く内谷智子さん。曙食道に関わって今年で7年目になります。

「おいしく最後まで食べてもらうための努力は惜しみません。これを食べに高浜に来ました、と聞くとうれしくなりますね」内谷さんの高浜愛が、ひしひしと伝わってきます。接客が大好きで、お子さん連れで毎回参加しているという内谷さん、せっかくの休みがイベントにとられてしまうのでは? という質問に、町役場とは違う内容の経験ができるから、と笑顔で答えてくれました。

ブルーフラッグで特に認められたのは、地域の子どもの環境教育に熱心なこと。若狭和田海水浴場では、以前から子ども向けの環境プログラムや、2年に1回の頻度で砂浜運動会を開催しており、子どもたちは自然観察をしたり、砂浜を走ったり、転んだり。そんななか、大人たちがふだんから汗を流してさまざまなイベントを盛り上げようとする背中を見て子どもたちは育っています。それは曙食道の活動も一緒。そうやって高浜の歴史は紡がれてきました。

100年続く環境を目指す高浜の挑戦は、気負わず、風土のままにゆっくりと育まれています。未来へ明るい潮風の吹いている若狭和田海水浴場での最高のビールタイム。みなさんも、いかがですか?

今回飲んだのは、地元の人と一緒につくった〈キリン一番搾り 福井づくり〉

「人と人との絆を大切にする」と言われる福井の人。そんな地元の人と地元のことを語り合ってつくられたのが、この〈キリン一番搾り 福井づくり〉です。パッケージのイメージカラーは朱色。さて、その味わいは……。※撮影後、おいしくいただきました。

キリン一番搾り 福井づくりってどんなビール? →

名古屋工場製造

※本商品は名古屋工場での製造ですが、福井のお客様と共に福井ならではの味わいをつくりあげたため、「福井づくり」としています。

問合せ/キリンビール お客様相談室 TEL 0120-111-560(9:00〜17:00土日祝除く) ストップ!未成年者飲酒・飲酒運転。のんだあとはリサイクル。

information

曙バーガー

曙バーガーはイベントの出店のみ。

出店スケジュールは、facebookページでご確認ください。

writer profile

Chizuru Asahina

朝比奈千鶴

あさひな・ちづる●トラベルライター/編集者。富山県出身。エココミュニティや宗教施設、過疎地域などで国籍・文化を超えて人びとが集まって暮らすことに興味を持ち、人の住む標高で営まれる暮らしや心の在り方などに着目した旅行記事を書くことが多い。現在は、エコツーリズムや里山などの取材を中心に国内外のフィールドで活動中。

photographer profile

Rui Izuchi

出地瑠以

いずち・るい●写真家。1983年福井生まれ。東京とハワイでの活動を経て、現在は大阪・福井を拠点に活動中。〈Flat〉という文化創造塾の運営メンバー。また結婚式を創るユニット〈HOPES〉のメンバーでもある。http://www.cocoon-photo.com/

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