山形市から、南へ約1時間半。多様な樹木や山菜、きのこや蔓(つる)植物が自生する豊かな山々の間に、「玉庭(たまにわ)地区」と呼ばれる集落があります。茅葺屋根の家が残る、古きよき農村の風景が広がるこの地区では、2014年から、里山再生事業に取り組んできました。

里山再生事業が目指しているのは、「里山の資源を見直し、山を使う技術でマネタイズし、暮らしを成立させる」こと。

さまざまなモノが都市から供給されるようになった現代において、かつて暮らしのすぐそばにあった「山」という資源をどう活用するのか。山の素材の採集や、山の素材を使ったものづくりを通して、あらためて山との関係を問い、その関係をふたたび築き直そうという試みです。

古くから伝わる「山を使う技術」を扱い、具体的に新たな製品を提案するのは、〈技術〉と名付けられた製品デザイン部門。山形在住の若手デザイナーや作り手が実際に山に入り、伐採や採集、フィールドワークを重ね、製品を企画。玉庭地区の職人や大工さんたちと連携し、里山の木材や蔓を用いた製品の制作・販売を行っているといいます。

そんな、玉庭地区・里山再生事業〈技術〉のみなさんが、9月30日(金)、〈山の使い方:「技術」アケビ蔓の採集講座〉を開催します。講座では実際に玉庭地区の山に入り、アケビ蔓の見分け方や、細工に適した蔓の見極め方、素材にするまでの下ごしらえや、来年も蔓を採集するための知恵などを学んだ上で、簡単なカゴを作ってみるそうです。

東京や仙台、山形で製品の販売会を行った際、「採集やものづくりに興味がある」という声が多く寄せられ、「モノの売買には、商品とお金の単なる交換以上の関係性が求められている」と感じ、企画されたという今回の講座。

かつて当たり前にあった“山と共にある暮らし”や“山を使う技術”を、五感をいっぱいにつかって、学んでみてはいかがでしょうか。

information

山の使い方:「技術」アケビ蔓の採集講座

日時:2016年9月30日(金)9:00〜12:30 ※雨天決行荒天中止

採集地:山形県川西町玉庭地区の山


受講料:3,500円(保険代込み)

お問い合わせ

玉庭地区里山交流センター四方山館

TEL:
0238-48-2131


Mail:hello.tamaniwa@gmail.com



Web:里山再生事業「技術」公式サイト

writer profile

Yuki Hashimoto

橋本ゆうき

はしもと・ゆうき●長崎県出身。大学でデザインや工芸について学び、在学中より、これからの社会や暮らしについて考えるフリーペーパーを発行。その後、長崎県のタウン誌「ながさきプレス」に約5年勤務。編集長も務める。現在は、まちや地域、暮らしに携わる編集者。