個性的な飲食店が集う四ツ谷・荒木町のなかで、ひときわユニークなお店があります。それが試験管で味わうワインのセットやアルコールランプで熱したおつまみなど、本格的な器具を使ってお酒を楽しめるバー。元研究者のオーナーによるDNAを用いた遺伝子占いも人気と聞いて、訪れてみました。
東京メトロ丸ノ内線・四谷三丁目駅より徒歩3分。飲食店が立ち並ぶ荒木町の一角に、サイエンスバー「INCUBATOR(インキュベータ)」はあります。
大学で生物科学の研究をしていた野村卓史さんが「研究者と一般の人が触れ合える、遊び心のあるバーを作りたい」と、2年前の春にオープンしました。
黒が基調の店内には、実際に研究所で使われている顕微鏡などの器具や科学に関する書籍がずらり。まるで本物の実験室のようです。

こちらを訪れたらぜひ試してほしいのが、実際に細胞採取をして診断する「遺伝子占い」(2000円〜)。一台数百万円もする研究機関用のPCR装置を使い、DNAを分析します。
といっても、口の中をこすって細胞を取った綿棒を渡すだけ。ドーパミンやセロトニンの遺伝子から、自分も知らなかった本来の性格がわかります。
「適している仕事やスポーツ」などのほか、「ラッキードリンク」など、バーならではのユニークな項目も診断してくれますよ。

そしてバーの特徴の一つが、大小さまざまなビーカーやフラスコで出てくるお酒たち。メニュー表にも「予め凍結し細胞壁を破壊したフルーツを使用したサングリア」など、ユニークな文言が並びます。
なかでも一番人気は、おすすめワインを飲み比べできる「試験管セット」(赤・白8種、1800円)。小さなビーカーを使って飲めるのは、試験管に入ったイタリア・フランス・日本など各国のワインたちです。
メニューにはそれぞれのワインの特徴が細かく記されているので、実験気分でお気に入りを探せるのが楽しいですね。
おつまみなどのフードにもこだわりがあります。「アルコールランプ炙りセット・3種盛り合わせ」(1200円)を頼むと、スルメイカやほたて貝ひも、エイヒレなどの干物がアルコールランプ、ピンセット、シャーレとともに登場。
アルコールランプで炙ってピンセットでエイヒレをつまむと、なんとも不思議な気分に……。そのほか「無水カレー」(750円)やデザートの「Laboガート」(450円〜)、季節によっては生牡蠣もメニューに加わります。
店内では高級白衣も貸し出していて、希望すれば着用してお酒を楽しむことができます。
また定期的に研究者を招いてのトークイベントや講演会を開催するなど、科学により親しめる催しも行っているそう。

学生時代に理科が苦手だった人もそうでない人も、気さくなオーナーが迎えてくれるサイエンスバーに、ぜひ足を運んでみて。