スペクタクル時代劇『MUSA‐武士‐』を手掛けたキム・ソンス監督がメガホンをとり、韓国ではノワールの新境地として公開前から注目を浴びていた新作映画『阿修羅(原題)』が、現地時間13日、トロント国際映画祭で初めて一般の観客の前で披露された。

 本作は権力に溺れる者と、それにしがみつく男たちが地獄のような世界での、生き残りをかけた戦いを描き出したバイオレンス・アクション。キャストには『ベテラン』のファン・ジョンミン、『私の頭の中の消しゴム』のチョン・ウソン、『アンティーク〜西洋骨董洋菓子店〜』のチュ・ジフンといった演技派を揃えている。

 『阿修羅』が招待されたのはスペシャルプレゼンテーションセクション。主に産業性と作品性を兼ね備えた映画が上映され、巨匠監督やスターの最新作などが招待されている権威ある部門だ。トロントのエルギンシアターで本作が上映されると、観客は緊張した表情を浮かべ、終わると歓声と拍手が起こり、約1400人が集まった会場は一気に熱気に包まれた。

 同映画祭アジア作品のプログラマーであるジョヴァンナ・フォルヴィー は「細かなニュアンスがスクリーンを通じて鮮明に伝わってきて引き込まれた。最高に息をのむ犯罪映画であり人間の弱さや不正を深く掘り下げている映画。新しいジャンルの映画の誕生と言えると思う」と賛辞を贈った。

 上映後に行われたティーチインでチョン・ウソンは「監督との再会は僕にとってとても大きな意味がありました。監督をはじめ全てにおいて最高の人々と仕事をするのだから、自分も頑張らなければという気持ちで撮影に臨みました。」と『MUSA‐武士‐』以来15年ぶりにキム監督と共に仕事をした感想をコメント。また、 チュ・ジフンは「観客の反応がエキサイティングで僕自身もストーリーを知らなかったみたいに夢中になりました。観客の皆さんも同じ気持ちで見てくれただろうと期待しています」と興奮した様子を語った。

 映画『阿修羅(原題)』は2017年春に新宿武蔵野館にて公開予定。