世界的指揮者の小澤征爾氏が主宰する「小澤征爾音楽塾」のオペラ・プロジェクト「カルメン」が20日、京都市左京区のロームシアター京都で初日を迎え、迫力ある舞台が繰り広げられた。「ハバネラ」「闘牛士の歌」など耳なじみのある有名な曲も多く、観客の盛り上がりもひとしお。上演後はスタンディングオベーションで、小澤氏らを称えた。

 同塾はオペラを通じて若手音楽家を育成することを目的に、2000年にスタート。小澤氏が師のカラヤンからの教え「交響曲とオペラは車の両輪」をもとに、これまで「フィガロの結婚」「ラ・ボエーム」「こうもり」などを手掛けてきた。小澤氏が体調を崩した後は、指揮は2人体制で振り分けている。

 今回の「カルメン」は、昨年の「こうもり」と同じく、愛弟子・村上寿昭氏との振り分け。音楽監督としての小澤氏の意思が、メトロポリタンなどで活躍する世界一流のソリストやオーケストラに行き渡り、情熱あふれた舞台となった。

 荘厳華麗な衣装や装置はいかにもオペラ然としているが、登場人物は現代にも通ずるような性格付け。カルメンは惚れっぽくて移り気で、それでいて自由を愛する気高さがある。その対比としてカルメンに運命を狂わされたドン・ホセは真面目な伍長からの転落人生とストーカーのような気質が、演出により巧みに強調。まるで現代劇を見ているかのようで、観客も違和感なく感情移入できる。

 本公演は22日のロームシアター京都で上演後、東京文化会館(26日)、愛知県芸術劇場(29日)で巡演。22、26日は完売している。