欧米のスーパーで加工食品を買うと「Added Sugars」という表示が目につく。原料本来の糖質のほかに「砂糖が添加されています」という意味だ。

 この8月、米国心臓協会(AHA)から「1日の添加砂糖は、小児が25g以下、2歳未満は一切控えるべき」という厳しい提言が発表された。

 提言の冒頭では「貧しい食習慣が肥満や心疾患、高血圧、肥満と関連するがん、虫歯のリスクを増大させる」とし、子供のころからこの問題と取り組む必要があると主張している。

 現在、2〜19歳の添加砂糖の平均摂取量は1日80g(小さじ20杯分!!)。2〜5歳で53.3g、6〜11歳78.7g、12〜19歳は93.9gと年齢が上がるほど摂取量が上昇。多くは清涼飲料(100mLあたりの砂糖含有量は10g前後)から摂取したものだった。

 AHAは、さまざまな調査に基づき、小児の1日の添加砂糖摂取量の上限を総カロリー量の5%未満とし、清涼飲料については、1週間(1日ではない)の摂取量を236mL以下に制限。

 さらに、2歳未満で清涼飲料を飲む癖をつけると、6歳以降の肥満につながり、小児の2型糖尿病や高血圧を発症する可能性が増加すると断じた。

 名指しされた関連業界の反発は必至だが、厳しい基準の背景には、今や「普通体形」は3人に1人という米国の切実な事情がある。

 米国が肥満関連の問題に費やす年間の医療・対策費は約1500億ドル(およそ15兆円)。肥満者の年間の医療費は、標準体形の米国人より15万円は高い。このまま肥満率が上昇し続ければ、社会経済的な影響は避けられない。

 実は米国の問題は対岸の火事ではない。日本の子供の肥満率もじわじわ上昇しているからだ。

 米バージニア大学からは、清涼飲料を1本、水に置き換えるだけで、1日の総カロリーに占める「飲料カロリー」の割合を17%から11%に減らせるという結果が報告されている。

 真夏の暑い日々は熱中症対策だったが、秋口以降は肥満対策で水を持たせよう。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)