日本全体の人口減少と都心への人口集中が重なり、地域経済・社会の保持のために地方への移住促進の動きが活発化。都心・大都市圏に住み、働き方が比較的柔軟であるフリーランスの移住に対する注目度は大きくなっている。ふろしきやは、大都市圏在住で、かつ移住を考慮しているフリーランスを対象に「移住に対する意識調査」を行なった。実態として掴みにくいフリーランスの内面だが、果たして結果は?

■移住時の仕事に関する考え方

「現在の仕事のみで生計を立てる」と回答したフリーランスは16%に留まる結果となった。残りの80%強は、移住時の仕事に対する考え方について柔軟な姿勢が示されている。フリーランスが個人のスキルベースの職種が多いのは確かだが、これまでに培ってきたスキルを生かした仕事はもちろんのこと、新しい仕事にもトライする心持ちは持っているという結果が現れている。

また、この結果は、地域で不足している産業の担い手との結び付きを考える移住受け入れ側との関係構築においても、プラスに働く結果とも言える。

■移住先に求める要素

[地理・社会基盤][インフラ・施設・制度][経済][コミュニティ][パーソナル]の観点での20項目に対して、複数回答可の条件で回答してもらった。要素として、[コミュニティ]の相対的な順位の低さが目立つ。上位3項目は60%を超えており、やはり「気候」「治安・安全性」といった安心に関わる地理や社会基盤が上位で、それに加えて「自分のペースでの生活や仕事」が食い込んできているのが大きな特徴である。ただし、都市生活者の「自分のペースで」は2面性を持っていると考えられる。1つは”忙しさに追われているような都市環境からの反発“、もう1つは”都市での希薄な人間関係を移住先でも求めたい”という思いが合わさっていると考えている。これは、回答者のフリーコメントからも確認できた。

逆に「事業者同士の交流」「祭りや伝統行事」「強い地場産業」は20%を割り込んでおり、要求は低い。この「事業者同士の交流」「祭りや伝統行事」「強い地場産業」は、観光やビジネス誘致にはよく使われるアピールポイントではあるが、フリーランスという対象にはそれほど響かないことが推測される。移住を考える本人の職住環境がどれだけその人自身に合ったものとなるかをイメージさせることが、一番に大切にすべき要素であることが確認できる。

■首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)在住フリーランスの移住考慮先

調査の結果。「沖縄県」が首位で、「東京都(23区)」「海外」「神奈川県」「北海道」が20%超で続いた。都心近郊かまったくの遠方か、という振れ幅の大きい選択肢が上位にきている。その下に「長野県」「静岡県」がランクインしており、比較的人気が高い県であることがうかがえる。

■関西圏(大阪府、兵庫県、京都府)在住フリーランスの移住考慮先

「兵庫県」「京都府」が1位、2位を占め、地元近辺への愛着が深いことがうかがえる。「東京都」と同様、「沖縄県」「北海道」「海外」への意識への高さも見られる。その他近郊では「和歌山県」「奈良県」「岡山県」も比較的上位に入り、少し西では「高知県」も10%を超えて上位となった。

フリーランスが自身の生活・暮らしを優先して住む場所を決めることは、都心や大都市圏を中心とした「職」に「住」を近づける傾向に対して一石を投じている。より移住を考えるフリーランスの内面を、移住を推進する側も移住を受け入れる側も把握し、お互いの理解が深まるのが望ましい。

【調査概要】
調査時期:2016年7月4日〜7月19日
調査対象:移住を考慮していると回答した首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)、愛知県、関西圏(大阪府、兵庫県、京都府)、福岡県在住のフリーランス
対象者数:750名
調査企画・分析・レポート:ふろしきや
調査協力:クラウドワークス

文/編集部