ビジネスパーソンたちにとって“プロフェッショナル”とはどのような存在なのだろうか? 高度な専門性をもつ仕事に携わる人か? はたまた、高いスキルをもっている人か? あるいは、そこから生み出されるアウトプットの質の高い人のことを指すのか? ソニー生命保険が昨年、全国の20〜59歳の男女ビジネスパーソン(アルバイト・パートを除く)に対して行なった「プロフェッショナルに関する調査」(1000名の有効サンプル)でユニークな結果が明らかになった。

ビジネスパーソンたちが“プロフェッショナル”とはどのような存在だと考えているのかを探るべく、全国の20〜59歳の男女ビジネスパーソン(アルバイト・パートを除く)1000名(全回答者)に、自身が思う“プロフェッショナル”のイメージとはどのようなものか聞いたところ、最も多く挙げられたのは、「高い専門性を持っている」(56.6%)だった。

 以下、上位10位には、「仕事を遂行するためのスキルレベルが高い」(49.6%)、「その人にしかできない仕事をしている」(48.5%)、「すべての仕事のクオリティが高い」(41.0%)、「適切な判断を行う能力がある」(34.0%)といった仕事の能力の高さ・独自性に関する項目が入った。高度な専門性やスキルと、そこから生み出されるアウトプットの質の高さは、ビジネスパーソンが考える“プロフェッショナル”の条件と言えそうだ。また、「自身の仕事に誇りを持っている」(40.6%)、「信念・厳しさを持って仕事に取り組み、安易に妥協しない」(39.3%)、「常に自己研鑽を続けている」(35.0%)、「常に情熱を持って仕事に取り組んでいる」(32.9%)といった仕事に対する真摯さに関する点も上位項目となった。能力だけでなく、仕事に取り組む姿勢も、プロフェッショナルという存在には重要な要素と考えられているようだ。

◆“プロフェッショナル”と聞いて思い浮かぶ職業、1位「野球選手」、2位「医師」、3位「パイロット」。4割が「板前・寿司職人」、3割弱が「システムエンジニア」、2割が「漫画家」をイメージ

 プロフェッショナルのイメージに合致するのは、どのような職業なのか。全回答者(1000名)に、プロフェッショナルと聞いて、どのような職業を思い浮かべるか聞いたところ、最も回答が多かったのは、「野球選手」(42.8%)で、以下、「医師」(42.2%)、「パイロット」(40.1%)、「板前・寿司職人」(39.9%)、「救命救急士」(37.9%)が続き、資格が必要になるような専門職や、職人、医療関係の職業が上位5項目となった。

 また、3割弱が「システムエンジニア」(27.9%)、「ミュージシャン・芸能人」(27.3%)、2割半が「デザイナー」(25.8%)、2割が「漫画家」(19.8%)を挙げており、クリエイティブな職業を思い浮かべるという人もみられた。

◆周囲で“この人はプロフェッショナルだ”と思う人、最多は「職場の先輩・上司」

◆20代男性にとって最も身近なプロフェッショナルは「父親」

 それでは自身の周りには、プロフェッショナルだと思える人はいるのか。全回答者(1000名)に、自身の周りにいる人のうち、“この人はプロフェッショナルだ”と思う人は誰か聞いたところ、最多回答となったのは「職場の先輩・上司」(14.9%)、次いで「父親」(10.8%)が挙がった。性年代別にみると、20代男性では、「父親」(19.2%)との回答が最も多くなった。若い世代の男性は、自身の父親を最も身近なプロフェッショナルだと感じているようだ。

 続いて、自身の周りにいるプロフェッショナルとして“職場の先輩・上司”を挙げた人(149名)に対し、そう思う理由について聞いたところ、最多回答は「適切な判断を行う能力がある」(59.1%)となった。ともに働く中で、状況に応じた判断を下す姿をみて、頼りがいを感じているのかもしれない。

“父親”を挙げた人(108名)に対しても同じ選択肢を提示して同様の質問を行なったところ、最多回答となったのは、「我慢強く取り組み、仕事を途中で投げ出すことがない」(40.7%)で、以下、「自身の仕事に誇りを持っている」(38.0%)、「信念・厳しさを持って仕事に取り組み、安易に妥協しない」(37.0%)が続いた。垣間みえる我慢強さ、自分への厳しさといった父親の姿に接し、プロフェッショナル性を感じる人は多いようだ。

◆“自分はプロフェッショナルだと思う”ビジネスパーソンの5人に1人

 それでは、自分自身についてはどのように思っているのか。全回答者(1000名)に、自分が今の仕事でプロフェッショナルだと思うか聞いたところ、「そう思う」は21.5%、「そう思わない」は50.9%となり、5人に1人はプロフェッショナルという自負を持っているものの、半数は今の仕事において自身をプロフェッショナルだと思っていないことが明らかになった。

 また、ビジネスパーソンたちが、自身をプロフェッショナルであると考えたり、反対にプロフェッショナルでないと考えたりしている理由についても質問を行なったところ、「そう思う」と回答した理由をみると、「資格を生かした仕事をしているから」(30代女性)、「自分にしかできない仕事があるから」(20代女性)、「自分の仕事に誇りを持っているから」(50代男性)など、専門性や独自性、そして誇りを持って仕事に取り組んでいることを理由とする回答が多くみられた。

 一方、「そう思わない」理由は、大きく2つのパターンに分かれた。ひとつは、「自信がないから」(50代女性)、「誰でもできる仕事だから」(30代男性)など、仕事内容に対して自信や誇りを持てていないということ、もうひとつは、「まだまだ知識などを吸収できると思うから」(40代女性)、「まだまだ勉強不足だから」(20代男性)など、自分自身がまだ成長過程にあるということだった。

◆仕事がデキてもこんなプロフェッショナルは嫌だ!1位は「常に上から目線で話す」

 プロフェッショナルのイメージに合致していても、“こんな人はプロフェッショナルとして認めたくない”と思われてしまうような人も、中にはいるのではないだろうか。全回答者(1000名)に、“仕事がデキてもこんなプロフェッショナルは嫌だ”と思うビジネスパーソン像を聞いたところ、最多回答は「常に上から目線で話す」(57.2%)、次いで、「昔の成功談をずっと自慢し続けている」(51.4%)、「すぐ怒る」(49.9%)が続きました。高圧的でプライドが高そうにみえる言動は、プロフェッショナルとしてそぐわないと思われているようだ。

 そのほか、上位10位には、「部下を育てる気がない」(49.4%)、「上司へのごますりが巧い」(48.2%)といった、社内での人間関係に関する項目や、「外にだけいい顔をする」(49.2%)、「忙しいアピールをよくする」(38.6%)、「人からどう見られるかばかりを気にする」(35.9%)といった、外聞に関する項目が入った。さらに、10位には「けち過ぎる」(33.8%)が入った。かっこいいプロフェッショナルであるためには、お金を使うべきところでは惜しまず使っていったほうがいいかもしれない。

 年代別にみると、「上司へのごますりが巧い」では、20代41.2%、30代44.4%、40代52.8%、50代54.4%と、年代が上がるにつれ割合も高くなっている。仕事の酸いも甘いも経験してきたビジネスパーソンほど、実力以外で“点数稼ぎ”をしようとする人に対して、良い印象を抱かないようだ。

◆プロフェッショナルがお金をかけるべきもの1位は「人脈作り」、2位は「資格取得」

“こんなプロフェッショナルは嫌だ”に、“けち過ぎるプロフェッショナル”が挙げられた。プロフェッショナルは、お金をかけるべきところでは、きちんとかけるべきだ、と思われているようだ。では、プロフェッショナルは何にお金を使うべきなのか。全回答者(1000名)に、プロフェッショナルがお金をかけるべきだと思うものについて聞いたところ、≪自己研鑽・自己啓発≫部門では、1位は「人脈作り」(42.1%)、2位は「資格取得」(36.3%)、3位は「ニュースの収集」(30.9%)となった。年代別に見ると、「一般教養の習熟」について、20代では29.2%、30代23.6%、40代30.0%と、2割強〜3割であるのに対し、50代では39.2%と4割だった。ベテランのビジネスパーソンは、一般教養の習熟にお金をかけるべきだと考えているようだ。

 続いて、《身だしなみ・小物》部門では、1位は「靴」(32.8%)、2位は「スーツ」(31.7%)、3位は「腕時計」(19.4%)となった。年代別にみると、「スーツ」と回答している割合は、20代では43.2%で4割強となっているが、30代28.4%、40代29.2%、50代26.0%と、他の年代ではいずれも2割台となった。

◆これならプロフェッショナル級!上位は「料理」「パソコン」「マンガ・アニメ」「カラオケ」

“プロフェッショナル”という言葉は一般的には、職業などに対して使われる言葉だが、ある道に精通していること、非常に巧みな技術を持っていることの比喩として使われる場合もある。そこで、全回答者(1000名)に、“自分はこれに関してプロフェッショナル級の知識や腕前がある”と言えるものを聞いたところ、1位は「料理」(6.6%)、2位は「パソコン」、「マンガ・アニメ」、「カラオケ」が並んだ(すべて5.9%)。以下、5位は「ゲーム」(5.1%)、6位は「クルマ」(5.0%)、7位は「野球」(4.1%)、8位は「紅茶・コーヒー・お酒」(3.9%)、9位は「楽器の演奏」(3.6%)、10位は「絵画・アート」(3.4%)が続いた。

◆プロフェッショナルに相談したいこと「資産運用」3割強、「保険選び」と「住宅選び」は約2割

 自分の知識や腕前に自信を持っている分野がある一方で、高度な専門知識のあるプロフェッショナルに頼りたいと思うこともあるのではないだろうか。全回答者(1,000名)に、その道のプロフェッショナルに相談できるとするなら、どのようなことを相談したいか聞いたところ、最多は「資産運用」(32.1%)だった。3位には「保険選び」(17.9%)、5位には「住宅選び」(17.8%)、6位には「老後のライフプラン」(15.8%)が入るなど、金額の大きな買い物やライフプランに関することはプロフェッショナルに相談したい、と考える人は少なくないようだ。

 そのほか、「仕事の悩み」(19.5%)、「会社・仕事選び」(17.9%)といった仕事や会社に関する相談も上位に挙がった。また、「子育て・子どもの教育」(12.0%)は1割強が相談したいと回答している。我が子を大切に思う気持ちからか、子育てに関してプロフェッショナルの力を借りたいと思う方もいるようだ。他にも、「車選び」(10.1%)についてプロに相談したいという人が1割みられた。

◆“プロフェッショナル”と言って思い浮かぶ男性有名人1位は圧倒的得票で「イチローさん」、女性有名人1位は「浅田真央さん」、2位は「吉永小百合さん」

 最後に、全回答者(1000名)に、プロフェッショナルと言えば、有名人では誰を思い浮かべるか、男女それぞれ1名ずつ挙げてもらうと、男性では、プロフェッショナルと聞いて思い浮かべる職業1位の“野球選手”である「イチローさん」が、200件と圧倒的な得票でトップとなった。次いで、2位は「高倉健さん」(42件)、3位は「明石家さんまさん」(25件)、4位は「池上彰さん」、「本田圭佑さん」(ともに23件)だった。また、1位の“イチローさん”をプロフェッショナルだと思う理由として、「ストイックに自分の可能性を最大限まで引き出そうとしているから」(40代女性)、「常に向上心を持っているから」(30代男性)といった、ストイックさをはじめとした精神的な面を挙げる回答が多くみられた。

 女性では、1位はフィギュアスケート選手の「浅田真央さん」(41件)、2位は「吉永小百合さん」(30件)、3位は「クルム伊達公子さん」(25件)、4位は「吉田沙保里さん」(23件)、5位は「澤穂希さん」(19件)だった。1位の“浅田真央さん”をプロフェッショナルだと思う理由としては、「常に進化を心掛けているから」(50代男性)、「悪い時も努力を怠らず、ストイックだから」(40代男性)など、向上心を理由とする回答が中心となった。

 ビジネスパーソンは、トップアスリートの高い向上心にプロフェッショナル性を感じているようだ。

文/編集部