新年度になって環境が変わった人も多いはず。日頃の“仕事ストレス”もたまってくるこの時期だからこそ、チョットした習慣を変えて、元気で若々しいカラダを取り戻そうではありませんか。カラダや見た目が若返れば、仕事や家庭も少しずつうまく回り始めるはずです!

医師・医学博士
Rサイエンスクリニック広尾院長
日比野佐和子先生

内科・皮膚科・眼科医、アンチエイジングドクター。大阪大学医学部大学院医学系研究科卒業・博士課程修了。現・大阪大学医学部大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学講座特任准教授。専門分野は欧米のアンチエイジング医学以外に中医学、ホルモン療法など。フジ『ホンマでっか!?TV』でも活躍。

◎若く見える人は長生きします

 最近、カラダにガタがきたと感じたことはありませんか? 人は体力の衰えを目の当たりにすると、若くありたいと願うものです。

 そもそも、老化の要因は何でしょう。赤ちゃんの肌はみずみずしく弾力性に富み、シミひとつありません。それが成長するにつれ、様々な環境や生活習慣によって徐々に劣化していきます。中高年期になると、ホルモンバランスの乱れや内臓機能の低下、ストレスなどが複雑に絡まり、カラダの内外から老化が加速していくのです。

 老化することを簡潔に言えば、カラダが錆びていくこと。錆びないようにするには、「体内のコンディションをできるだけ若く保つこと」が大切です。そしてもうひとつ、「“見た目年齢”を若く保つこと」が最新の医療現場で重要視されています。

 2009年デンマークで「見た目年齢が若いと長生きする」というデータが報告されました。その後、見た目年齢が認知機能や寿命の回数券といわれるテロメアの長さと関連している可能性も認められています。

 加齢を止めることはできません。しかし、見た目年齢を下げることは可能なのです。

◎あきらめは禁物!若返りは可能です

「自分は実年齢よりも若い」と思っている人は多いと思います。しかし同時に、何かしらの不調を感じている人も多いはずです。次ページの表で、あなたの老化度をチェックしてみてください。各項目は老化と関係ないように思われるかもしれませんが、いくつも当てはまる場合、残念ながら老化現象の域になります。

 例えば「肩凝り」は、デスクワークでも起こる症状ですが、血管の老化によって首まわりの血液循環が悪くなっている可能性もあります。

「太りやすい」「むくみやすい」「冷え症」「眠りが浅い」「何だかだるい」なども、複数当てはまる人はイエローカード。すべて、老化によって基礎代謝が落ちていることが要因です。

「お腹が張る感じがする」のは、老化によって消化器系の機能が落ちているためです。「腰痛」はお腹まわりの筋肉が落ち、腰骨を支えきれなくなっていると考えられます。腰痛になると、同時に太りやすくなったり、便秘になったりします。

 このように、いくつか当てはまる項目がある場合、それらが相乗してさらに老化を早めるという悪循環に陥ってしまいます。

「肌に張り・ツヤがない」人は要注意。肌は内臓の鏡。徹夜をした翌日や、お酒を多めに飲んだ翌日は、顔がむくんでいたり肌が荒れていたりすることがあると思います。それは、内臓のむくみが皮膚表面に出ているためです。朝、鏡を見て「むくんでいるな」と感じたら、お酒を控えるなどして内臓を休ませてください。それでも数日間むくみが取れない場合は、別の疾患の疑いがあります。「太ったせいだ」とやりすごさないで、内科を受診しましょう。

 さて、では、どうしたらこれら老化現象にブレーキをかけることができるのでしょうか。大事なのは、基礎代謝を上げること。その方法を、次ページから解説していきます。

《加齢の原因はこんなにあった!》

●ホルモンの分泌低下
●不十分な食事
●消化器管の障害
●栄養素欠乏
●睡眠不足
●適応能力の欠損・ライフスタイル
●過度なストレス
●運動不足
●環境汚染
●遺伝子疾患

《あなたの老化度をCHECK!あなたはいくつ当てはまりますか?》

□肩凝り・筋肉痛がある
□太りやすくなってきた
□お腹が張る感じがする
□カラダがむくみやすい
□腰痛だ
□冷え症
□眠りが浅い
□肌に張り・ツヤがない
□便秘気味だ
□何だかだるい

《チェックの結果、あなたは大丈夫!?》

[0]ノープロブレム! 実年齢よりも若々しく見られているはず。自信を持って、今のライフスタイルを維持していこう。
[1~3]加齢予報。心配はいらないが、自分の体調にもっと敏感になるべし。不調のサインが表われたら見過ごさず、早めに対処しよう。
[4~7]加齢注意報。老化スピード加速中。自分では「まだ大丈夫」と思っていても、お疲れ感が漂っている。早めに対処を。
[8~]加齢警報警戒レベル。老化の渦に巻き込まれている可能性大。全面的なアプローチで、今日からでもカラダのメンテナンスを開始すべし!

◎まずは腸の大掃除から始めよ

 老化現象にブレーキをかける一番の方法は、“基礎代謝を上げる”ことです。柱は「食事・運動・睡眠」の3つです。

 中でも、まず最初に行なってほしいのが、「腸の大掃除」。長年かけて体内にたまった汚れを取るには、腸内をキレイにするといいのです。誰にでも手軽にできるのは、食生活の改善。キムチ、納豆、ヨーグルトなど発酵食品を今まで以上に多めに摂取してください。ナットウキナーゼや乳酸菌には、整腸作用があることが知られています。また食物繊維の多い野菜や寒天など、それ自体が腸内の掃除をしてくれる食べ物は、毎日少量ずつでも摂り続けることで、効果が表われます。

 腸内がキレイになると、栄養の吸収が良くなり、栄養を運ぶ血管も若返ります。血行が良くなれば、基礎代謝が上がるのです。前ページでチェックした項目のいくつかの不快な症状が解消されるでしょう。

 次に、運動について。基礎代謝を上げるためには、筋力アップと筋力保持が必要です。しかし、仕事で忙しい世代の方が毎日運動を続けようとすると、それ自体がストレスになってしまいます。ストレス解消のために運動ができる人はいいですが、難しい人は、15分程度でできるストレッチを行なうといいでしょう。

 3つ目の柱は睡眠です。睡眠中は、様々な機能を回復しているだけでなく、成長ホルモンが分泌され、筋肉のもとになるタンパク質が合成されています。良質な睡眠が基礎代謝を上げているのです。現代はストレス過多などいろいろな理由で眠れない人が増えています。短時間でも熟睡できるよう、工夫しましょう。

 その他、ちょっとした美意識や振る舞いでも「見た目年齢」は変わります。できることから始めて、心身両面から若返ってください。

《若返り5か条》

●発酵食品で腸の大掃除
若さを保つには、腸をキレイに保つことが不可欠。毎日の食生活に発酵食品を取り入れることで、日々腸内デトックスができる。

●“腹六分目”で健康長寿
メタボ解消には腹八分目。健康長寿には腹六分目が新定番。食事の順番を工夫することで、満腹感を得られるようになる。

●1日15分、継続的に運動を
通勤を利用したウオーキング、自宅やオフィスでできるストレッチなど、長く続けられる簡単な運動であることが大事。

●睡眠時間は“1.5の倍数”
浅いレム睡眠から深い眠りに入る前に起きれば、短くても質の良い睡眠が得られる。眠り足りなければ、20分以内の昼寝でカバー。

●オヤジ臭さを徹底除去
加齢臭・口臭のケアはもはやエチケット。弾力のない肌や肩に落ちたままの抜け毛も、オヤジ度を増すので注意したい。