オネエ系タレント百花繚乱の今。一見、性という枠組みに捉われず自由に生きているように見える彼女たちですが、立ちはだかるハードルはいくつもあったはず。そんな一人、真境名(まじきな)ナツキの自伝的映画『ハイヒール革命!』が9月17日より公開中です。

主演の濱田龍臣の女装姿も話題になっている同作は、ニューハーフの真境名ナツキの思春期と現在を追ったドキュメント・ムービー。現在、「カマちゃん倶楽部」というニューハーフアイドルユニットで活動中の彼女。小学校入学の際に、黒いランドセルを背負って違和感を覚えたその瞬間こそが、彼女の闘いの始まりだったのです……。

そんな『ハイヒール革命!』のように、性的マイノリティをテーマにした映像作品は過去にも多々ありました。例えば、同性の友人に想いを寄せる高校生と、そんな彼が気になる女子(浜崎あゆみ!)の青春を描いた『渚のシンドバッド』(1995年、監督:橋口亮輔)。同じく橋口亮輔監督が、子どもがほしい女性とゲイのカップルの関係を描いた『ハッシュ!』(2001年)など。
また、ドラッグクイーンにスポットを当てた映画『キンキーブーツ』(2005年)は、今年7月にロードウェイ・ミュージカルとしても上演され、日本版主演の三浦春馬のドラァグクイーンぶり、ピンヒールで歌い踊る彼がセクシーすぎると大評判になりました。

2017年2月に公開を控える荻上直子監督『彼らが本気で編むときは、』は、生田斗真がトランスジェンダーの女性役を演じ、その恋人役は桐谷健太。イケメン俳優の新境地となるに違いない期待と、形に捉われない家族や愛を描く作品として、今から注目を集めています。

このようなエンタメ作品のモチーフとしてはもちろん、日本でも渋谷区や世田谷区を始め、同性パートナーシップ条例を導入する自治体が増え始めるなど、LGBTの問題は知らないでは済まされない世界。テレビでも、性の壁を乗り越えた“彼女たち”が、ごく普通に活躍する時代になっています。

「体は男、心は女」の葛藤と孤独

例えば、トランスジェンダーをカミングアウトしたGENKING。インスタで話題の謎の美男子だったGENKINGが、「ジェンダーレスタレント」として、コスメブランドSK-Ⅱのキャンペーン動画の中で「自分は周りとはちょっと違うんだ」と感じていた少年時代を語っています。三つ編みや、キャラクターもののヘアゴムなど、好きなものが女の子と同じ自分を恥ずかしいと思っていたとか。 2015年3月、テレビ番組でカミングアウトしたことによって、自分を認めてあげることができたというGENKING。ブログでも「自分のコンプレックスで、一番認めたくない事を公表することで、少しは強くなれる気がした」と綴っています。未来を拓くきっかけを作るのは「自分」。自分のやりたいこと、好きなことを発信すること。体と心が違うという葛藤や孤独を乗り越えた今、バラエティ番組でのブレない発言や姿勢は、文句なく美しい! 5月に放送された『ロンドンハーツ』で田村淳がGENKINGの自宅にお泊まりしたときの女子力には感服! 常備菜を用意しておくという、抜き加減。料理の手際やおもてなしのセンスって、まさにジェンダーレスの人品ですよね!

イケメンおなべアイドル!? LGBTの理解を広める「シークレットガイズ」

SECRET GUYZ(シークレットガイズ)は、スターダスト所属のレインボー・アイドル。日本初のFtM(元女性)ユニットとして、LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)の理解を世間に広めるべく活動中の3人組。 9月3日には『有吉反省会』に反省人として登場し、脚光を浴びました。反省の内容はというと、「ライブのMCでスベッていること」。しかも彼ら、しゃべり方はお客さんに「引かれてしまうから」という理由でオネエ言葉なのです。王子様担当「吉原シュート」、”キャワイイ”担当「諭吉」、やんちゃ担当「池田タイキ」の3人で2013年にメジャーデビュー。本人たちは「オニイ」でマネージャーは「オネエ」という、複雑だけどおもしろい要素満載。女人禁制の両国国技館のステージに立つことが目標だという新時代アイドル、応援せずにはいられません!

『ハイヒール革命!』をはじめ、性的マイノリティをテーマにした数々の作品、そして、活躍中のジェンダーレスタレントやアイドルをきっかけに、身近にあるLGBTの世界を理解してみませんか?

(文/三浦順子@H14)