大ヒット中の映画『君の名は。』の話題が絶えない。最近ではこの作品の“100”にまつわるニュースが報じられた。まず、配給の東宝による興行収入100億円の突破。日本のアニメ作品の100億円突破は宮崎駿監督のスタジオジブリ作品以外では初めてだという。さらに今年の日本公開作品では、実写も含めて初の100億円突破となった。そして映画のヒットを受け、同名小説も発行部数100万部突破も伝えられた。今年のエンタメシーンを牽引している“君の名は。現象”のひとつをレポートする。

切なさと美しさはそのままにワクワクを入れポップに

映画『君の名は。』は高校生の男女が夢の中で入れ替わる物語だ。「知らないもの同士が出会い、すれ違って、再会する。そんなシンプルな物語をアニメーションならではのエンターテインメントとして描きたいとはじまった作品」だという。(パンフレットより)今作は新海誠監督の過去の作品から描かれている“男女の切ない距離。そしてすれ違い”と登場人物たちを包み込む美しすぎる情景はそのままに、夏休み映画ならではのワクワク感がプラスされてポップな仕上がりになっている。過去作からのファンは安心感と新鮮さを覚え、今作から観た人は次々に繰り出される新海マジックに心を揺さぶられっぱなしになるだろう。圧倒的な映像力で人々を魅了した『君の名は。』は8月26日の公開からあっという間にブレイクし、関連商品もすぐに品薄状態になった。9月初旬に川崎の映画館チネチッタへ足を運んだ際、パンフレット以外の関連グッズはすべてソールドアウト、最寄り書店の一番くじも完売していた。

ネットフリマを検索してみたら…

店頭から消えた関連グッズなどについて、9月24日に『君の名は。』で複数のネットフリマで検索してみた。多く見られたのは映画告知用の非売品「B2ポスター」で3万円〜5万円ほどで取引されていた。続いて目についたのはRADWIMPSのアルバム『君の名は。』の初回限定盤。新海監督とRADWIMPS メンバーとの対談などが収められたDVDと映画の場面カットやヒロイン三葉のテーマの楽譜などが入ったもので、定価6,912円だが5,000円〜25,000円ほど。CDをパソコンに取り込んでから出品しているケースが多いようだった。公式グッズでは定価2,160円の「スマートフォンケース」が目立ち、4,000円〜12,000円という価格帯であった。きれいな夜空に彗星が2本流れているデザインのこのスマホケースは、パンフレット記載の通信販売サイトでは9月下旬頃から順次発送予定とのことだ。

『君の名は。』にインスパイアされて?

これまで紹介したのは既製品だが、『君の名は。』をイメージしたハンドメイドのアイテムも多く見受けられた。作品には日本に古くから伝わる工芸品「組紐(くみひも)」が登場する。ヒロインが作ったり、身に着けていたりするものだ。この組紐や作品をイメージしたというミサンガやブレスレットのほか、作中で印象深い「彗星」をモチーフにしたネックレスやピアス、ペンダント、がま口などが300円〜1,000円ほどで取引されていた。また、キャラクターイラスト作成のオーダー受注も多い。例えばキャラ1人を鉛筆描きで400円〜800円、色鉛筆塗りだと500円〜1500円といった価格設定である。驚いたのはここでは需要と供給が成り立ち、数多く取引が成立していたことだ。

今回はネットフリマで垣間見た『君の名は。』現象を報告した。ネットの世界だけではなく、思いも寄らぬところでこういった現象が起こっているかもしれない。

文●ロックスター佐藤史恵