2020年の東京オリンピックに向けて、再び大規模な建築ラッシュが続いています。また、高度経済成長期に作り上げたインフラの老朽化により新たに作り変えるといった大事業も行われています。実はそんな日本の世界に誇れるインフラ事業を題材にした映画が数多く存在します。その中でも今回は、今のような技術革新がなされる以前に日本人の知恵と努力で乗り切った大規模建築をテーマにした映画をご紹介しましょう。

1:黒部の太陽(1968年)

北陸新幹線の開業により、再び脚光を浴びているのが「立山黒部アルペンルート」。この夏も多くの観光客が訪れている地域ですが、そこにそびえたっているのが、日本を代表するダムである黒部ダム。世紀の難工事といわれ、多くの犠牲者を出したこのダムの完成までの道のりを物語にしたのが映画『黒部の太陽』です。主演に石原裕次郎と三船敏郎。そのほかにも当時の名優が数多く参加しています。NHK「プロジェクトX」でも取り上げられ、当時の紅白歌合戦でもそのテーマソングを中島みゆき本人が黒部ダムから歌ったシーンを記憶している人も多いはず。トンネルでの大量の水を使った迫真の演技や大規模な工事映像シーンで日本のインフラ映画の金字塔とも言われています。

2:海峡(1982年)

完成当時の世界最長の交通トンネルとして北海道と本州をつないだ青函トンネル。今年3月の北海道新幹線開業により、新幹線もこのトンネルを通っています。長さ54km近いこのトンネルの完成のために尽力を尽くした人々を、高倉健、吉永小百合という二人の映画スターに加え、日本映画界を挙げて多くのキャスト・スタッフが参加しています。壮大なスケールで描かれる難工事を交え、人々の想いが描かれているこの映画は、当時の日本人の精神が良くわかる映画となっています。

3:記録映画・東海道新幹線(1963年)

1964年10月1日に開業した世界に誇る鉄道「新幹線」。本作はその新幹線開業までを細かく記録したドキュメンタリー映画。東京オリンピックを控え、僅か5年半で東京・新大阪間を完成させたことだけでも驚嘆に値するのですが、当時から安全面を最優先とした技術や人材育成の様子が細かく描かれ、その点についても驚かされます。初代0系の車輌製造や用地買収、高架路線工事、苦難のトンネル工事など、まさに、現在も続く新幹線網の始まりの記録となっています。当時の日本ののどかな田園風景の中で工事が進む映像はなんともいえません。

いかがでしたか? どの作品も時代背景や風景が描かれ、現代と比較しながら見ることができ、過去の日本を知る上でも貴重な映像ばかりです。最近は元気がないと言われている日本ですが、これら日本人が成し得てきた偉業を改めて知ることで、新たなパワーを得ることができると思います。この秋、今回ご紹介したまさに大作を改めて見てみてはいかがでしょうか?

●文 ロックスター佐藤