日本の歴史上もっとも有名で、今なお多くの謎に包まれた大事件“本能寺の変”。1月14日公開の映画『本能寺ホテル』では、事件が起こる前に織田信長に運命を伝えようとした現代人がいたら……? そして、信長が事前に事件のことを知ってしまったら……?という物語が展開。独自の視点で本能寺の変の謎を解き明かしていきます。

本能寺の変が迎える意外な結末とは

史実では、本能寺の変が起こることを信長は知る由もなかったはず――。しかし同作では、もしも信長が明智光秀の謀反を事前に知ることができたならばどうだろう?という視点から本能寺の変が描かれています。人間誰しも襲われることがわかっていれば事前に逃げるのが普通ですよね。信長は天下統一を目前にしていたのだからなおさらです。しかし、こういったタイムスリップ作品に付き物なのが、“結果として歴史を変えてしまってはいけない”という問題。同作も例に漏れずこの問題が発生します。綾瀬はるか演じる現代人・繭子の立場に自分が立ったら、信長に本能寺の変の事実を伝えるかどうかを考えて観るのもなかなか面白いのでは? もし私なら、信長を助けて自分も一緒にずっとその時代で過ごすかも……なんて考えました。果たして、過去と現在が交わったことで本能寺の変はどのような結末を迎えるのか。物語の展開自体が興味を惹きます。

キャラクターが活きたキャスティング

綾瀬はるか演じる繭子は、天真爛漫で素直な性格のキャラクター。なんとも綾瀬にぴったりで、これは“素”の綾瀬なんじゃないか?と思うほど役柄にマッチしています。時折飛び出す繭子の天然(?)発言も、綾瀬だからこそ観ている側の私たちも自然に受け入れられるのかもしれません。

役柄ぴったりの綾瀬とは打って変わり意外なキャスティングとなったのが、森蘭丸を演じた濱田岳。森蘭丸と言えば、“美少年”であったとして有名な人物ですが、演じる濱田は決してイケメン俳優という立ち位置ではないはず……。しかし、濱田の演技力やそのあえてのキャスティングを活かした演出などで、観ている側にミスマッチと言わせない、新たな魅力全開の森蘭丸となっています。

今も昔も変わらない街・京都

戦国時代と現代。その二つがリンクして映し出されるシーンがいくつか出てきますが、そのいずれも京都の街並みが使用されています。鴨川や今宮神社などの観光名所や、秀吉の妻が・ねねが歩いたとされる「ねねの道」など、京都ならではの歴史を感じられる場所がいくつも登場し、過去と現在が映し出されます。戦国時代の京の都と、現代の京都――。建物は違えど、土地の趣きや受け継がれている伝統は今なお残っているということを映像から感じさせられます。京都ってすごいですね……。

荒唐無稽さを感じさせないストーリー、歴史ものの重厚感、笑いどころ満載の楽しさ、ちょっと切ない展開、そして京都という町の魅力。様々なものが楽しめる歴史エンターテイメントをぜひ劇場で見届けてみてください。

(文/竹内琴子@HEW)