1994年から続く週刊朝日の連載マンガ「パパはなんだかわからない」が1千回を超え、傑作選が9月20日に刊行される。有能な営業マンで良き家庭人の主人公、沢村課長の哀愁コメディー。作者の山科けいすけは「電車や飲み屋で観察するおじさんたちがネタになる。どんなところにも面白い人はいるものです」と語る。

 家事が苦手でマイペース過ぎるママ、不細工でひねくれた愛犬マリリン、不運ばかり引き寄せる部下の横山さん。そのほか自信過剰、優柔不断、人面獣心、無理無体などなど、様々なタイプのサラリーマンが沢村課長を悩ませる。

 「連載を始めた時は家庭ネタとサラリーマンネタを半々にするつもりだった。でもサラリーマン社会独特のおかしなルールと個性のぶつかり合いが面白くて」

 ビッグコミック(小学館)連載の「C級さらりーまん講座」も90年から続く。こちらも「BEST SELECTION」上下巻が7、8月に出た。

 団子っ鼻、バーコード頭、タラコ唇など、デフォルメした「ブサカワ」なオヤジキャラは、驚くほどバリエーションが豊かだ。「イヤな上司ならこんな顔と、性格から造形することが多い。性格と正反対という手も使う。ハンサムは味がなくてつまらない」

 クセのあるキャラによる、毒のきいたギャグが身上だ。「揚げ足を取るのが好き。人が隠したいところに目が行く。みんながほめれば逆を行く。性格が悪いとよく言われます」

 デビューから33年。2011年には手塚治虫文化賞短編賞を受賞した。妻の森下裕美さんも07年に受けた賞だ。「僕はマンガを描くのが嫌いだから、いつも締め切りギリギリまで動かない。進歩がないですね」(小原篤)=朝日新聞9月17日付け夕刊記事に一部加筆