新シリーズ「season15」が10月12日からはじまる「相棒」。常に変貌と変革を続けることで人気を得てきた「相棒」の“次の一手”が、吉と出るか凶と出るか、また半年間、見続けることになりそうだ。

 水谷豊演じる杉下右京の相棒役は変わらず反町隆史が扮する冠城亘。そのスタイリッシュなカッコよさとどこかユニークな行動は特に女性人気が高い。だが、彼は昨シーズンの最終話で事実上法務省をクビになっており、今シーズンの第1話には警察官となって登場する。「法務省から出向中」「警察官ではない」という4代目相棒の最大の特徴が封印され、歴代相棒たちと同じ立場となった。

 とはいえ、亘の警視庁での配属先は、「広報課」。

「本当に驚きました。僕のところ(特命係)に来ると思っていました」(水谷)

●反町が仲間の部下に

 しかもその上司は2シーズンぶりに登場するセミレギュラーの仲間由紀恵演じる社美彌子(やしろみやこ)だ。仲間は、「トリック」シリーズを手掛けたプロデューサーが「相棒」スタッフに名を連ねたseason13のタイミングで登場した大物ゲスト。いくつもヒット作を持つ彼女が、マンネリもささやかれはじめた「相棒」の起爆剤として投入されたことは想像に難くない。実際、反町の相棒決定が発表されるまで、右京の相棒候補として名前が挙がり、世間の話題となった。

 ドラマ評論家の成馬零一さんは、再登場をこう分析する。

「右京と新相棒と+αという三角関係でドラマの骨格を作ってきた面があるのですが、今回は第1話から登場し、冠城亘とも因縁があるため、かつての小野田公顕(岸部一徳)のような役割になるのではないでしょうか」

 さらに美彌子には、ロシア人スパイとの間に女児をもうけているらしい描写などがあって謎が多いため、右京の新たな“敵”となる可能性も捨てがたいのだ。

 また、近々に亘が特命係に配属替えになることは予想できるが、3代目相棒の成宮寛貴演じる甲斐享が犯罪者として特命係を去り、長年右京の情報提供係として活躍してきた鑑識の米沢守(六角精児)が警察学校の先生になるといった衝撃の展開を、さらっと行ってしまう作品だ。亘がずっと美彌子のもとに居続けるというような新展開も考えられなくはないだろう。

●制作陣に新メンバー

 気になるのは、来年2月に公開予定の「劇場版IV」だ。スピンオフ2作を含む劇場版はシリーズ放送後の公開だったが、及川光博が相棒をつとめていた「II」のみ、今回と同じくseason9放送中に公開され、平均視聴率が過去最高の20%超を記録した。映画のプロモーションでマスコミ露出が多かったためだろう。コンスタントに17%前後の平均視聴率を保っている人気ドラマではあるが、さすがに昨シーズンは15%前後と下がって一時の勢いに陰りも感じさせる中、劇場版との相乗効果での盛り上がりに期待がかかる。

 さらに、「劇場版IV」の監督は、長年メイン監督だった和泉聖治から、スピンオフや映画「探偵はBARにいる」などの橋本一にバトンタッチした。テレビシリーズの脚本や監督陣にも新たなメンバーが多く名を連ねている。season15のキャッチコピー通り、まさに「相棒」は“新時代”を迎えているといえる。

「毎回『これ以上ない』と思うところまでやっていながら、それを常に超えてきているという実感があります。season15も劇場版も、今まで以上のものになるだろうなと、経験上、すでに実感しています」(水谷)

(ライター・早川あゆみ)

※AERA 2016年10月17日増大号