黒川紀章氏設計の昭和を代表する建築で、世界初のカプセル型集合住宅が、老朽化により、保存か解体かの間で揺れている。銀座に佇む“白い箱舟”はいったいどこにいくのだろうか。



 中銀(なかぎん)カプセルタワービルは、軽量鉄骨構造の鳥の巣箱のような140個のユニットを積み重ねるようにして建設され、1972年に竣工した。

竣工後40余年を経て住民の中には建て替えを望む声もあったが、デザインのユニークさが注目を集め、社会の変化や都市の成長に合わせて建築物も新陳代謝をするという建築思想・メタボリズムの代表作としても存続を望む声が大きくなっていった。

 カプセルのオーナーであり、写真集『中銀カプセルタワービル 銀座の白い箱舟』の著者の一人である前田達之さんはこう話す。

「高度成長期を象徴するレトロモダンな建築物は、昭和を代表する文化財であると思います。できるだけ長く残したいですね」

※週刊朝日  2016年10月14日号