鉄道大国・ニッポンの各地には、個性豊かな路線や駅がある。『AERA 2016年9月26日号』では、乗客の生活と、運行を支える技術が手を携えて発展を遂げてきた鉄道のさまざまな姿を、東西対決で特集。ここでは歴史を重ねた名駅舎、東京駅と旧二条駅の対決を紹介する。

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 1914年に開業した赤レンガ造りの東京駅丸の内駅舎は、建築家の辰野金吾の設計で、全長約335メートルと南北に長い。しかし戦災で3階部分を失い、両翼のドーム屋根は戦後長らく三角屋根となっていた。一時は建て替えの話も出たものの、文化人などによる保存運動も功を奏し、2012年、開業当初の姿に復原されるにいたった。この間、03年には国の重要文化財に指定されている。

 この復原にあたっては、東京駅の未使用容積率を、特例にもとづき周辺で建設されるビルに売却することで、工費の大半をまかなった。いわば、再開発と歴史的建造物の保存を両立させたというわけだ。

 対する西の代表には、JR西日本が管轄する嵯峨野線(山陰本線)の旧二条駅の駅舎(京都市)を挙げたい。この駅は1904年に京都鉄道によって建設され、07年の国有化後は山陰本線の一駅となる。これが96年の新駅舎完成まで使われ、京都市指定有形文化財に指定されたのち、翌年には梅小路蒸気機関車館に移築された。

 大きさは東京駅にはさすがにおよばないが、屋根の棟の両端には鴟尾(しび)がつけられるなど寺院を模したどっしりとした造りで、日本最古級の木造駅舎ともいわれる。

 今年4月、梅小路蒸気機関車館をリニューアルした新たな施設として京都鉄道博物館がオープン、旧二条駅舎にはミュージアムショップが設けられた。(ライター・近藤正高)

※AERA 2016年9月26日号