最大11.5ゲーム差を覆して4年ぶり7度目のリーグ優勝を決めた北海道日本ハムファイターズ。栗山英樹監督が『北の国から2016 伝説』と名付けた奇跡的な大逆転劇を成し遂げることができた要因は何だったのか。データ面から探ってみたい。

 優勝決定の142試合までのチーム成績を見ると、得点数はリーグ3位の616点、失点数はリーグ最少の466点。以下、チーム打率.267(リーグ1位)、120本塁打(同2位)、132盗塁(同1位)、74失策(同2位)、先発防御率3.25(同2位)、救援防御率2.70(同1位)。この数字からも投打のバランスが非常に良く、“走って守れる”チームであることが分かる。2位に終わった昨季と比べて最も大きく変わったのは、対ソフトバンク戦の勝敗。直接対決での勝負強さだった。

 最終的に首位に12ゲーム差を付けられた昨季は、ソフトバンクとの直接対決で9勝15敗1分けと大きく負け越した。じわりじわりとゲーム差を縮めて敵地に乗り込むも、勝負どころでことごとく黒星を喫して対峙する度に背中が遠くなった。しかし今季は、3連戦7カード中5カードで勝ち越しに成功。さらに9月21日、22日の敵地での天王山でも2連勝を飾るなど、直接対決を迎える度に相手にダメージを与え、今季はソフトバンク戦15勝9敗1分けという、昨季と真逆の数字を残してみせた。

 投打別の数字を見ても、昨季の対戦打率.230、対戦防御率4.85が、今季は対戦打率.247、対戦防御率2.80と一気に優位に立った。個人別で見ると、大谷翔平の変化が顕著だ。“二刀流”を具現化している怪物は、まず投手として、昨季はソフトバンク戦4試合で1勝2敗、防御率6.58だったのが、今季は4試合で2勝0敗、防御率1.26という好成績。そして野手としても、昨季はソフトバンク戦13試合に出場して20打数2安打の打率.100、0本塁打、1打点だったのが、今季は21試合で73打数30安打の打率.411、9本塁打、16打点の大暴れ。大谷のソフトバンク戦での成績が直接対決での結果に繋がり、逆転優勝への大きな要因となった。

 「対戦すれば勝てる」、「直接対決に持ち込めばゲーム差を縮められる」――。ソフトバンク戦に対する自信と余裕は、他球団と戦う上でも優位に働いたことは間違いない。前年のソフトバンク所属から4年ぶりに日本ハムへ復帰した吉井理人投手コーチの存在も大きかった。その中で大谷が成長し、選手たちは諦めることなく懸命に戦い、11.5ゲーム差をひっくり返した。ただそれを「奇跡」という言葉で片づけてはならない。最も変わった直接対決での勝敗。それは前年の失敗をしっかりと分析し、その反省を今季の1試合1試合へと繋げた、地道な努力と積み重ねの結果だったと言えるだろう。