日本時間10月2日(日)午後11時5分に発走予定の凱旋門賞(3歳以上GI、仏シャンティイ芝2400m)から、日本でも海外のビッグレースの馬券が買えるようになる。

 海外競馬馬券発売は基本的に日本の競走馬が参戦する競走のみだが、今回のマカヒキ(牡3歳)を皮切りに11月に米国で行われるブリーダーズカップ(牝馬限定のブリーダーズカップ・フィリーアンドメアターフにヌーヴォレコルトが出走を計画)、同じく11月に豪州で行われるメルボルンカップ(カレンミロティックが遠征予定)、さらに例年日本馬が複数出走する12月の香港国際競走など、矢継ぎ早に「世界の競馬」が日本に近づいてくる。

 JRAでは年間で最大24競走程度の発売を予定しており、馬券は当面、インターネット投票(JRAの「即PAT会員」または「A-PAT会員」になっておく必要がある)のみでの発売となる。これは海外時差による深夜、早朝の発走や日本のフルゲート(18頭)を越えることのある海外の競馬(メルボルンカップなどはフルゲート24頭)に対応するため。競馬場やウインズで馬券を買って「応援馬券」を紙として手元に残しておきたいというファンからの声に応えるには、もう少し時間がかかりそうだ。

 凱旋門賞の場合、発売時間は当日の午前10時から発走時刻の4分前の午後11時1分まで。2日は国内でもG1スプリンターズステークスが行われるので、1日に2つのG1レースが楽しめる。

 発売される馬券は「枠連」「WIN5」を除いた「単勝・複勝・馬連・馬単・ワイド・3連複・3連単」の7種類。オッズは独立プール方式で日本国内独自のオッズになるため、なじみのある日本馬を中心とした馬券が人気になることが予想される。

 欧州の芝2400mのチャンピオンを決める凱旋門賞は今年で95回目。欧州圏外の優勝例はなく、日本馬は過去にのべ19頭が挑戦したが、1999年のエルコンドルパサー、2010年のナカヤマフェスタ、12年と13年のオルフェーヴルが記録した2着が最高である。

 今回、日本馬の悲願達成に挑むマカヒキは、5月のG1日本ダービーや現地前哨戦のG2ニエル賞を勝利するなどこれまで6戦5勝。優勝を逃した1戦もG1皐月賞の2着と、近年最強世代とうたわれる3歳世代の代表であり名馬だ。現在はJRA所属騎手となったが、フランスでもトップジョッキーとして名をはせたクリストフ・ルメール騎手をパートナーとし、本番が近づくにつれて現地での評価も徐々に高まっている。

 英大手ブックメーカーのオッズでは、3月のG1ドバイシーマクラシックで日本のドゥラメンテを下した英国のポストポンド(牡5歳)が1番人気で、マカヒキはこれに次ぐ2番人気となっている。

 今年の凱旋門賞はパリのロンシャン競馬場の改修工事に伴い、フランスのシャンティイ競馬場に会場を移して行われる。16頭立てとフルゲートに4頭足りないが、それでも騎手同士の鐙(あぶみ)がぶつかる激しい競馬になることに変わりはない。日本では許されていないが、有力馬を持つ陣営が露払い役のペースメーカーを出走させることも作戦として認められており、約2分30秒のレースの中に権謀術策が渦巻く。

 最後に瞬発力を爆発させてトップを切ってゴールに飛び込むのはポストポンドか、マカヒキか。あるいは英・愛の両ダービーを制したアイルランドの3歳馬ハーザンドか、それともまったくノーマークの穴馬なのか……。これまでのスポーツとしての観戦に馬券という大きな楽しみが加わって、競馬ファンには至福の夜になりそうだ。(文・奥野庸介/サラブレッドインフォメーションシステム)