「W杯最終予選のサッカー日本代表に選ばれなかったなかで、呼ぶべき選手たちとは?」

 それがdot.編集部からの問いかけだった。

 選外で待望される選手は少なくないという。FWでは大迫勇也(ケルン/ドイツ)、ハーフナー・マイク(ADOデン・ハーグ/オランダ)、金崎夢生(鹿島)、久保裕也(ヤングボーイズ/スイス)、乾貴士(エイバル/スペイン)、MFでは中村憲剛(川崎F)、柴崎岳(鹿島)、小林祐希(ヘーレンフェーン/オランダ)、中島翔哉(FC東京)らの名前が挙がっている。どの選手も相応の力を持つのは間違いない。

 しかし、選手選考は監督の専権事項。そもそも、ここまで代表の選手選考に“ケチ”がついたことはあっただろうか?

「選ぶ選手がいない」

 9月1日に行われたW杯最終予選のUAE戦後、ヴァイッド・ハリルホジッチ代表監督は悪びれずに言った。その言葉が、不必要な反発を買っているのだろう。それに飽き足らず、今回のメンバー発表会見では、「(欧州組が試合に出ていなくても)代わりになる選手がいるのか?」とも不満を示したわけだが……。

 少なくとも、結果という序列のなか、呼ぶべき選手は少なくない。

 Jリーグで4年連続得点王も照準に入れている万能のFW大久保嘉人(川崎)と、J1で4年連続15得点以上で高さ、強さが異色の豊田陽平(鳥栖)。二人がメンバーに入っていないのは「異常」に映る。

 「代表にフィットしない」という意見かもしれないが、結果を残している選手をフィットさせるのが監督の仕事である。監督の主観で選ぶことは本来的に許されているが、それで負けた後に「人材がおらず、決定力不足」と嘆かれても、筋が通らない。正しい競争原理も働かないだろう。

 あくまで個人的な見解を言えば、FW、MF以外にも「選ばれるべき選手」はいる。

 柏で「潮目を変えるセービング」を見せるリオ世代の新鋭GK中村航輔は、欧州でベンチにすら座れない川島永嗣(メス/フランス)よりも選出にふさわしい。スペイン2部のヒムナスティック・タラゴナでレギュラーを確保したセンターバック鈴木大輔は、世界の猛者を相手に堂々とした戦いを見せる。代表スタッフは最近の彼のプレーをスカウティングしていないかもしれないが、今や日本代表のバックラインを担えるほど成長を遂げている。

 とは言え、外野の声はほぼ意味がない。監督は選考には全権を託され、そうあるべきでもある。ただ、指揮官自身が選手の力を信じられないなら、チームとして機能するはずはない。

 イラク、オーストラリアとの決戦では、まず「選ばれた選手」が最高の戦いをすることが望まれる。(文=スポーツライター・小宮良之)