男子ゴルフの日本オープンが10月13日から埼玉県の狭山GCで開幕。世界ランキング6位のアダム・スコット(豪)が3年連続で出場するほか、PGAツアーから松山英樹、石川遼が参戦するとあって、大会前から大きな注目を集めている。

 そして大会主催者の日本ゴルフ協会もその注目度に応えるように、予選ラウンドのペアリングを大会前週に発表。この3人が同組でプレーすることになり、大会への期待度はさらに大きくなった。

 3人の競演は、元々はスコットの呼びかけがきっかけだった。スコットは昨年の出場時に「来年は彼ら(松山と石川)を連れてくる」と語り、ともにPGAツアーでプレーする2人に日本のナショナルオープンへの参戦を呼びかけていた。

 松山と石川が日本オープンへの出場を決めたのは、このスコットの誘いだけが理由ではないだろう。しかし、日本を代表して海外を主戦場に置くスターの2人が国内メジャー大会に揃って顔を揃え、しかもマスターズも制した世界の一流プロであるスコットとラウンドすることは、多くのギャラリーを魅了するはず。今年の日本オープンは、このペアリングが実現したことで、例年にない盛り上がりを見せているわけだ。

 ファンとしては、こうなるとこの3人が優勝争いを演じて最後まで同組でプレーすることを期待してしまうもの。果たしてその可能性はどのくらいあるのだろうか。

 まず3年連続3度目の出場となるスコットだが、9月末で終了したPGAツアーのフェデックスカップ・プレーオフの4試合全てでベスト10入りを果たすなど好調。その後は休養とトレーニングという日々を過ごし、しっかりとコンディションを整えて来日してきた。舞台は7,208ヤードでパーは70と距離があり、フェアウェイは狭くラフは深いというメジャー仕様。PGAツアーのコースに似ていることもあり、スコットにとってはプレーしやすい環境だ。プレーオフでの調子をキープできれば、3年目にして初のタイトル獲得へ視界良好だろう。

 今季国内ツアー初登場となった松山は、4年ぶりの大会出場でプロとしては初参戦。狭山GCは優勝した2012年の日本学生ゴルフ選手権の舞台となっておりコースに対する印象は良いが、当時に比べると難易度が数段アップしており「勝手知ったる」とは言い難い。

 それでも、先月の昨季PGAツアー最終戦、ザ・ツアー選手権で首位発進し最終的には5位に食い込み、こちらも好調。シーズン終了後の調整ではショットに不安を残しているようだが「期待に応えられるよう全力でプレーする」と前向きなコメントを残した。PGAツアー開幕戦をスキップしての凱旋出場だけに、優勝という形でしっかり結果を残したいだろう。

 そして石川。今年は腰痛により2月から長期にわたる戦線離脱を余儀なくされたが、8月末のRIZAP KBCオーガスタで優勝。続くフジサンケイクラシック、ANAオープンでも2位タイ、単独3位と故障からの完全復活をアピールしている。心配なのは、本戦前日の練習ラウンドを筋肉疲労のため回避したこと。故障明けから間もないだけにコンディショニングが気になるところだが、自身の体調と向き合いながら、実績で格上のスコット、松山のプレーに惑わされず、自分のゴルフに集中することが求められそうだ。

 いずれにしても、この3人の競演を観るチャンスは国内では貴重。都心からも近く当日は多くのギャラリーが来場することも予測されているだけに、スコット、松山、石川には世界レベルのプレーを披露してくれることを期待したい。(田村一人)