「日本女子オープン」でアマチュア選手が優勝し話題をさらった。丸山茂樹氏はこの史上初の結果をたたえるとともに、プロ選手に今後の課題を提案する。

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 女子のナショナルオープンに、17歳のアマチュアが勝っちゃいました!

「日本女子オープン」(9月29日〜10月2日、栃木・烏山城CC)で、畑岡奈紗(なさ)さん(茨城・ルネサンス高3年)が初優勝。女子の国内メジャーでアマチュアが勝ったのは史上初の出来事でした。最終日はトップに4打差で出ての逆転。身長158センチと小さいですけど、とても力強いスイングをしてますし、パッティングがしっかり打ててましたよね。最終日18番の下り4メートルのバーディーパットなんかは、もしカップインしなかったらどこまでも転がっていってた。若手アマチュアに特有の怖いもの知らずな部分が、いい方向に出ましたね。

 そもそも実力がないと日本女子オープンには出られませんし、そこでワンチャンスをものにしてるんだから、本当に素晴らしいです。「アマチュアを勝たせたプロが情けない」って論調もありますけど、そう言っちゃうとかわいそうな部分もあるんですよね。

 やっぱりね、普段の試合のセッティングが易しすぎるんですよ。プロは普段からもう少しタフなセッティングで、本格的に切磋琢磨して技量を磨かないと。

 日本女子オープンは非常に難しいセッティングだったと思うんですけど、プロがそもそも難しいコースに慣れてない。だから大たたきしてしまう選手も出るし、今回みたいに体力のあり余った若いアマチュアにポンといかれてしまうことがあるんだと思うんです。

 ボクシングにたとえるなら、普段からタフなスパーリングパートナーとやってれば、強い相手と向き合っても、こういう突発的なことは起こらないのかなと。ぜひ、このチャンスに普段の試合のセッティングを見直してほしいです。

 畑岡さんも、3日目にトップに立った長野未祈(みのり)さん(千葉・麗沢高1年)も中嶋常幸さんの「ヒルズゴルフトミーアカデミー」に参加してる選手です。中嶋さんがどういう形で指導していらっしゃるのかは知りませんけど、僕はアカデミーをつくって指導ってのはしないかな。そんなにたくさんの子は教えられないし、しっかり継続的に見てあげないといけない。選手と僕のスケジュールをすりあわせるのも、かなり難しいでしょうし。

 畑岡さんは優勝コメントで、今後の目標について「全米女子オープン優勝と、東京オリンピックの金メダル」と語っています。東京オリンピックが出てきたのは、リオに関わらせてもらった者として、非常にうれしかったですよ。

 男子ツアーでは「トップ杯東海クラシック」(9月29日〜10月2日、愛知・三好CC西)で片岡大育(だいすけ)(27)が逆転優勝しました。ここ最近は安定して上位に入ってたんで、そろそろツアー2勝目がくるかなと思ってました。今回は最終日のフロント9できちんとスコアをつくれて、バック9もしっかりとしたゴルフができましたね。

 海外志向の強い大育ですけど、飛距離が出る選手じゃないので、セカンド以降の技術を確固たるものにしてからじゃないと海外では通用しないことも多い。じっくりこうやって日本で力を蓄えて、自分と相談して挑戦の時期を決めればいいと思いますね。

※週刊朝日 2016年10月21日号