プロ野球は、クライマックスシリーズ(CS)のファイナルステージを終えた。セ・リーグはレギュラーシーズン1位の広島が、同3位のDeNAを4勝1敗(アドバンテージ1勝を含む)で下し、25年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。

 広島は投打に圧倒した。投手は第1戦に先発したジョンソンが3安打完封。第2戦は、先発の野村祐輔から今村猛―ジャクソン―中崎翔太とつなぎ、またも完封リレー。2試合連続完封勝ちはプレーオフ、CS史上3度目、初戦からは2度目の好発進となった。第3戦はDeNAがエリアンの2点本塁打で先制点を奪うと、先発の井納翔一が7回無失点と好投。黒田博樹を先発に立てた広島に対し、左手薬指を骨折しながらも強行出場した梶谷隆幸の適時打&ダイビング捕球の美技もあり、一矢を報いた。

 第4戦は広島が1回にいきなり6得点し、その後追い上げられるも8−7で逃げ切り。MVPには通算12打数10安打6得点4打点、打率.833の田中広輔が選ばれた。ここまで全試合で1回裏に先頭打者として出塁していた田中が、この試合でも11球粘って四球で出塁し、生還。11球目はストライクにも見える投球だったが、判定はボール。マツダスタジアムの熱気を急上昇させ、6点を呼び込む流れをつくった。

 パ・リーグは、レギュラーシーズン1位の日本ハムが、2位のソフトバンクを4勝2敗で下し、4年ぶりの日本シリーズ出場をたぐり寄せた。西鉄、大洋などを率いた「魔術師」故・三原脩監督を尊敬する、栗山英樹監督の「自在流」采配がさえた。第1戦はポストシーズン史上初めて指名打者制を解除し、大谷翔平を8番投手に起用。大谷は投げては7回1安打無失点、打っては5回に好機を拡大する中前打で1イニング6得点を演出し、栗山監督の狙い通り、投打に活躍した。

 第2戦は9回にソフトバンクが日本ハムのクローザー、マーティンに4盗塁を仕掛け、3点を奪って1勝目を挙げた。すると続く第3戦、栗山監督は大胆な用兵変更に乗り出す。3点リードの9回、抑えとしてバースを起用。初回に挙げた4点を守りきり、王手をかけた。第4戦はソフトバンクが3本塁打で5−2と快勝したが、第5戦は再び栗山監督が大胆に仕掛けた。

 スタメンから二塁手のベテラン田中賢介を外し、若手の杉谷拳士を2番で起用した。杉谷は3回表に柳田悠岐のライナーをダイビング捕球。その裏には中前適時打を放った。先発投手のルーキー加藤貴之が1回に4失点すると、2回からは第3戦で抑えに使ったバースを登板させ、4イニング無失点の好投を引き出した。4回には満塁の好機と見るや早掛け。8番捕手の大野奨太に代打・岡大海を起用して同点の2点適時打を呼び込み、さらにスクイズで勝ち越した。締めは3番指名打者だった大谷を9回にクローザーで起用。大谷は日本最速の165キロを連発し、野手で先発した選手としては史上初めてセーブを記録した。

 日本シリーズは、22日からマツダスタジアムで開幕する。12球団で最も遠ざかっていた広島は25年ぶりの出場だが、吉兆データがある。25年以上ぶりで出場したチームは、1998年横浜(38年ぶり)、99年ダイエー(26年ぶり)、2005年ロッテ(31年ぶり)、06年日本ハム(25年ぶり)と、過去4チームすべてが日本一に輝いている。一方の日本ハムは、大谷が投打で出場した試合に今季公式戦、CSと合わせて9戦9勝。マツダスタジアムで第1、2、6、7戦を行うため、大谷が投打で同時起用される可能性が最少でも2試合はありそうだ。いずれも若い選手が主力に多いチーム。熱く、フレッシュな戦いを期待したい。(文=日刊スポーツ・斎藤直樹)