2018年のロシアW杯出場をめざすサッカー日本代表は、10月のアジア最終予選の2連戦を1勝1分けで終えた。

 イラクにホームで2−1と勝ち、オーストラリアにアウェーで1−1と引き分けた。通算2勝1敗1分けで、勝ち点7。上位2チームが無条件でW杯への切符を手にするが、サウジアラビア(勝ち点10)、オーストラリア(同8)に続き、日本は3位につけた。

 9月のUAEとの初戦に敗れたが、直近の2試合では最低限のノルマと考えられた勝ち点4を挙げた。

 にもかかわらず、ハリルホジッチ監督に相変わらず解任論がくすぶるのはなぜか。6日のイラク戦で劇的な勝利を挙げたものの、格下相手にホームで土壇場まで苦しめられた。拙い試合内容は理由の一つだろう。

 ただ、それだけが原因ではない。

 勝てばグループ首位に立つ可能性もあったオーストラリア戦。守備重視の戦いをしたことは、やむを得なかった。それにしても、選手交代の時間帯やカードの切り方は疑問符がついた。

 発言も迷走しており、UAEに敗れた際に選手や審判に責任を転嫁したかと思えば、ここへきて目標を「アジア予選突破」と言い切る開き直りも見せる。世界と戦える指揮官として招聘(しょうへい)され、就任時にこうも語っていたのにである。

「私はここに来る前、アルジェリアで仕事をし、3年間で世界ランキングを52位から17位に上げた。日本代表でもそれと同じことをできると確信している」

 現実をみると、就任約1年半で、日本の世界ランキングは53位から56位に後退している。

 見ていてハラハラドキドキの最終予選はおもしろい。ただ、02年の日韓W杯後の過去3大会は、「絶対に負けられない」とメディアがいくらあおっても、日本がW杯出場できない事態は考えられない余裕があった。

 今の戦いぶりでは、本大会にたどり着けば御の字。気が付けば予選敗退も不思議ではない。W杯初出場をめざしていた20年前のころに逆戻りしてしまった。

「ピッチ内外で監督からの要望が多く、細かい」とある選手はこぼす。ここへきて、選手と監督の関係は緊張感が増している。思わぬ好結果を生むこともある一方で、崩壊と隣り合わせとも言える。

 酷評続きの指揮官は、この危機的状況を凌ぐ術を持っているだろうか。

※週刊朝日 2016年10月28日号