ブラジル・リオデジャネイロ(リオ)で開催された第31回夏季オリンピック競技大会が幕を閉じた。次の開催地は、いよいよ東京だ! 今回の五輪で過去最多のメダルを獲得した日本。そこに隠された秘密とは? 毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』に掲載された解説を紹介しよう。

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 リオ五輪では、日本の選手たちが大活躍! 今大会の日本の特徴としてあげられるのは、メダルを獲得した競技がたくさんあること。金メダルだけに注目しても、競泳、体操、柔道、レスリング、バドミントンの5競技で取っているのだ。

 選手たちがどんな過程をたどって五輪で戦うようになったのかを見てみると、多くは小さいころからその競技に取り組み、10代で国際経験を積んできたことが成功につながっている。躍進した競技を見てみよう。

 たとえば、今回、銀メダル1個、銅メダル2個を獲得した卓球の場合、小学生時代に頭角を現した選手については、中学生の段階から海外での経験を積んでいる。今回、日本人選手として初めて個人戦のメダルを獲得した水谷隼選手は、14歳でドイツに留学したことが最先端の技術理論に触れるきっかけとなった。

 また、海外で練習するメリットとして、日本語にはない競技用語を学べることがある。女子の福原愛選手は中国語がペラペラだが、卓球についての語彙も豊富で、「スマッシュを表現する言葉だけでも10種類くらいあります」と話す。語彙が増えれば多様なショットも効率的に学べる。ちなみにバックハンドスマッシュは「抜刀」と書く。なんとなくイメージが湧くではないか!

 また、最近の世界のスポーツ界では、「ビッグデータ分析」が勝利への鍵となっているが、陸上男子4×100mリレーも例外ではなかった。

 山縣亮太選手、飯塚翔太選手、桐生祥秀選手、ケンブリッジ飛鳥選手の4人は見事なバトンパスを見せ、ウサイン・ボルト選手がアンカーを務めたジャマイカに次いで銀メダル。なんと短距離王国のアメリカに勝って銀メダルを獲得し、世界を驚かせた(アメリカは失格)。

 日本陸上競技連盟は長年、スプリンターの特性をデータで蓄積し、第1走者から第4走者まで、誰がどこを走れば最速のチームを作れるのか、「適材適所」を発見するためのデータ分析を行ってきたのである。その結果、導き出されたのが今回のオーダーだった。

 日本といえばバトンパスが巧みといわれるが、実は研究で得たことが反映されたからこそ、銀メダルを獲得することができたのだ。

 そしていよいよ4年後の2020年には東京五輪を迎える。

 4年という歳月は長いようで短い。地元開催の五輪であろうと、海外で数多くの経験を積むことは必要だし、ビッグデータを生かす戦略性を持つことも大切だ。おそらく、日本のスポーツ界は驚くほどの進化を遂げるはずだ。

 20年、世界各国からスーパースターたちが東京にやってくる。今から、よりスポーツに親しみ、東京五輪を楽しむ準備をしていこう!(解説/スポーツジャーナリスト・生島淳)

※月刊ジュニアエラ 2016年10月号より