DIVが初の日比谷野外大音楽堂ワンマンライヴにて、ラストライヴを終えた。日比谷野外大音楽堂でのライヴを発表したのは、2015年11月7日に行われた渋谷TSUTAYA O-EASTでのワンマンライヴでのこと。その後も今年3月に2ndミニアルバム『EDR TOKYO』をリリースしてからワンマンツアーを敢行、さらに8月13日からは今年2度目のワンマンツアー“Ready to DIVE”も行うことで日比谷野音に向けて勢いを増していくばかり…と思っていた矢先、衝撃的な発表がなされたのは8月8日だった。“DIVは日比谷野外大音楽堂公演をもって解散する”という知らせは、ファンのみならず彼らを知る多くの者に驚きを与えたはずだ。


最後の勇姿を絶対に見逃すまいと、日比谷野音に集まった大観衆。その見つめる先にあるステージ後方のモニタには、開演時間までの残り時間が表示されていた。刻一刻と減っていく時間に、いつもなら本番が待ち遠しいという気持ちになるのだろうが、この日ばかりは“いつまでもその時が来て欲しくない”と願うファンも多かったのではないだろうか。モニタの時間が“0”に到達するとSEと照明が発動し、オーディエンスの手拍子の中でメンバーが登場する。オープニングナンバーは『ANSWER』。薄暗闇の中で華やかなライティングに照らされて、輝きを放つ4人の姿。“踏み出したその先に明日へ繋がる光はある?”という歌詞の一節は、今の彼らとファンの心境を代弁するものかもしれない。

「日比谷、刻み付けていけよ!」とCHISA(Vo.)が叫び、2曲目の『LOVE IS DEAD』へ突入。観客の1人1人がこの時間を身体にしっかりと覚え込ませるように、全力でヘッドバンギングやジャンプを繰り返す。続く『I HATE YOU』でも「日比谷、そんなもんじゃねぇよな? 後悔すんなよ!」とCHISAが煽れば、オーディエンスのテンションはさらにヒートアップ。少し肌寒い季節の野外ということを感じさせない熱気が、会場内には満ち溢れている。中盤では『漂流彼女』『SEASONS』とミドルテンポの楽曲が続き、「最後の1ページ刻んでくれ」という言葉から始まった『STORY』ではモニタに過去のライヴ写真が映し出されていく。

感傷的な気持ちに浸ってしまいそうなところで、次に放たれたのは『東京、熱帯夜につき』。デジタルなサウンドとバンドの鳴らす有機的な生音を高次元で融合させることで、彼らが打ち立てた独自の“エレクトロニック・ダンス・ロック”を象徴する1曲だ。DIVがロック・シーンに確かな爪痕を刻み込んだ1曲にファンは狂喜乱舞し、日比谷を熱帯夜に変える。改めて会場の熱気を高めた後は『神様がもしいるなら』からラストの『イケナイ KISS』まで怒涛にして、一瞬に感じてしまうほどの勢いで本編は終りを迎えてしまった。当然湧き起こる、アンコールを求めての“DIV”コール。会場全体からの大きな声に誘われて、4人が再びステージに登場する。

『you』から始まったアンコールは『夏の行方』へと続き、会場にまるで湿っぽい空気を漂わせない。それは「最後の最後まで突っ走って、俺たちなりの最後をここ日比谷で彩りたい。後悔すんなよ。最高の笑顔を見せてくれ!」というCHISAの言葉に、誰もが答えていた証拠だろう。『Point of view』では「最高の4年半でした。本当にありがとう!」と感謝を叫び、ラストの『ZERO ONE』へ。最後まで長いMCや挨拶がなかった代わりに、歌に全ての想いを乗せて。そう言うかのように、モニタには歌詞が映し出される。“終幕へ向かう世界じゃないんだよ 始まりに溢れているだろう? 今も生まれ続ける新しい命”…。

解散することを思っての悲しさや寂しさで壊れそうな胸の響きも、彼らのライヴや音源がもたらしてくれる感動と興奮で揺れる胸の振動も、どちらも“進むために刻む鼓動”なのだ。“DIV”というバンドが存在していたという決して揺るがぬ事実は、この場にいた全ての人にしっかりと刻み込まれた。だから今は、次なる道へと歩き始めた4人が生み出す“新しい命”との出会いを楽しみに待とうじゃないか。

そして、この日のライヴが完全受注にてDVD化されることも発表された。最後の姿を会場で見届けることができなかったファンは是非手に入れてほしい。

ライター/IMAI (JUNGLE LIFE編集部)、カメラマン/MASANORI FUJIKAWA