2016年3月のジュネーブモーターショーでもっとも注目を集めたスーパーカー、ランボルギーニ「チェンテナリオ」。ランボルギーニ創始者であるフェルッチオ・ランボルギーニの生誕100周年を記念して作られた、価格約2億円、世界限定20台の超高価かつレアなクルマだ。このチェンテナリオの登場から約5カ月、8月にアメリカで開催されたスーパーカーの祭典において、オープンモデルの「チェンテナリオ ロードスター」が発表された。価格はクーペを上回る約2億3000万円、やはり世界限定20台の超プレミアムモデルである。

ランボルギーニ創始者の功績を讃えた特別モデル「チェンテナリオ ロードスター」


2016年は、ランボルギーニ創始者、フェルッチオ・ランボルギーニ氏の生誕100周年にあたるメモリアルイヤーだ。

1916年にイタリア北部の都市、ボローニャ近郊のレナッツォの農家に生まれたフェルッチオは、幼少時から機械好きで、大学も工科大学に進学。第2次世界大戦では整備兵を務め、退役後は軍放出のトラックを元にトラクターを自社開発して販売する。アウトモービリ・ランボルギーニを設立したのは1963年。「ミウラ」「カウンタック」といった名車を送り出し、その後、ランボルギーニはフェラーリと並ぶ世界最高峰のスーパーカーブランドとなっていくのだ。

この創業者の輝かしい功績を讃えるには、既存モデルの単なる限定バージョンでは物足りない。そこで、一から作り上げたのが、イタリア語で「100周年」を意味する「チェンテナリオ」の名が与えられたスペシャルモデルである。

ジュネーブで発表されたのはクーペだけだったが、すでにこのときオープンモデルの登場もアナウンスされていた。それから約5カ月後の8月19日、米カリフォルニア州モントレーで開催されたコンクール・デレガンス「ザ・クエイル・モータースポーツ・ギャザリング」で、ついにワールドプレミアとなったのが「チェンテナリオ ロードスター」だ。



アヴェンタドールをブラッシュアップして史上最高のスペックを獲得した特別モデル


チェンテナリオのベースとなっているのは、ランボルギーニのフラッグシップモデル「アヴェンタドール」。しかし、あくまでもベースというだけで、チェンテナリオは外観も心臓部もアヴェンタドールとは別物だ。

パワートレインにはランボルギーニ最大となる6.5L・V12自然吸気エンジンを搭載。同型エンジンを採用するアヴェンタドールよりもブラッシュアップされ、最高出力は770hp/8500rpm、最大トルク690Nm/5500rpmと、史上最高のスペックを獲得している。0-100km/h加速は2.9秒、300km/hには23.5秒で到達し、最高速度は350km/hを超えるという。

現在のランボルギーニは、トラクションコントロールやABSなどの電子デバイスにより、あり余る大パワーを安全にコントロールできることも特徴のひとつとなっている。チェンテナリオは、それに加えてランボルギーニ初となる四輪操舵システムを装備。低速時はよりクイック、高速走行時はスタビリティ重視と、バリアブルにステアリング特性を変化させ、走るフィールドを問わず最高の走りを愉しむことができる。





フルカーボン製のボディも新しくデザインされたもので、アヴェンタドールとは異なるものとなっている。空力性能に優れているのは当然だが、速度に合わせて自動で伸縮する可変リアウイングも機能的で、スーパーカーらしいギミックだ。さらに、ホイールにスタイリッシュに備わった5本のカーボンスポークには、ブレーキの熱を効率よく排出する機能も備わっている。

チェンテナリオ ロードスターは、ボディデザインの多くをクーペと共有しているものの、オープントップ仕様となったことで、クーペとは異なる「自由かつピュアなドライビングエクスペリエンス」(ランボルギーニCEOのステファノ・ドメリカリ氏)が愉しめるという。







発表前にクーペとロードスター合わせた計40台がすべて完売した「チェンテナリオ」


チェンテナリオ ロードスターの販売価格は、約2億円のクーペのさらに上をいく約2億3000万円。しかも、驚くべきことに、クーペ20台と今回のロードスター20台を合わせた計40台のチェンテナリオは、ジュネーブモーターショーでデビューする前にすべて売約済みとなっていたという。

ブガッティやパガーニ、ケーニグセグなど、少数生産のスーパーカーメーカーが世界の富裕層に注目されるなか、比較的手に入れやすいモデルもあるランボルギーニやフェラーリは、「量産スーパーカーメーカー」といわれることもある。

しかし、創業者の生誕100周年を祝うこの記念モデルの人気ぶりを見るかぎり、ランボルギーニが持つブランド力はいまだに衰え知らずのようである。