20世紀初頭、1903年のアメリカ。中西部ウィスコンシン州の都市ミルウォーキーに暮らす数人の青年による手作り発動機が、ハーレーダビッドソンの始まりだった。日用品や廃材が利用されたその単気筒エンジンの誕生から100年以上を経て、次世代のニューモデルが発表された。9代目となるビッグツインエンジン、新しいサスペンションを採用したハーレーダビッドソンの2017年モデルは、よりパワフルな走りと迫力あるサウンドが愉しめる。

『イージー・ライダー』に憧れた40〜50代に刺さる、新型ハーレーの力強いサウンド


ニューカマーのうち10モデルに搭載されるのが、新たに開発された「Milwaukee-Eight(ミルウォーキーエイト)」エンジンだ。クラシックな45度のVツインを踏襲しつつ、以前より10%ほどピークトルクの向上に成功。4 バルブシリンダーを採用することで、吸気および排気流量も増加させている。アイドリング時の一次振動を75%相殺するカウンターバランサー、新方式の熱制御対策など、Vツインならではのフィーリングは残し、滑らかかつ快適に走れるシステムを盛り込んだ。

「ミルウォーキーエイトは、ハーレータビッドソン『Big Twin(ビッグツイン)』のDNAを未来へと受け継くエンジン。ベースの個性を尊重しながら、まったく新しいモーターに進化させ、性能や耐久性、スタイリングのあらゆる側面を改良しました」とは、同社チーフパワートレインエンジニアの アレックス・ボズモスキの弁だ。

各シリンダーにバルブ4つと1対の点火プラグを配備。いままでにない高効率設計となった。排気量拡大や圧縮比のアップによって、加速性能も一層優れたレベルに向上。アイドリング回転数は従来よりも低い850rpmとなり、振動だけでなく発熱まで抑えられ、信号や渋滞の多い日本でもストレスなくライドできる。

また、プライマリーカバーをスリム化し、エアクリーナーケースの形状も見直された。足つきが良くなり、より車体と一体化したポジションがとれるようになっている。歴代から大幅に改善されたスペックはもちろん、なにより嬉しいのが力強いサウンド。低くてピュアな響きは、映画『イージー・ライダー』に憧れた40〜50代の元少年たちの心に突き刺さるはず。





フロント&リアサスペンションが新しくなったハーレーダビッドソンのニューモデル


2017年モデルは、フロント&リアサスペンションのコンポーネントがすべて新設計となり、快適性、操作性、パフォーマンスが高まっている。

エマルジョン技術採用のリアショックアブソーバーは、1代前の標準モデルに比べ、プリロード調整幅が15〜30%増加。荷重に合わせ、ベストな高さと角度にセッティングしやすくなったのだ。しかも、作業にツールやエアポンプは不要で、ダイアルひとつで自分好みにカスタマイズ可能とのこと。リークダウンしないため、こまめに設定し直さないで済むのもグッド。

フロントにはショーワの「SDBVTMサスペンション」技術が配され、軽量なレーシングスタイルのカートリッジフォークが優れた減衰力を発揮する。ハーレーらしい安定感を重視するユーザーにはたまらないポイントだろう。



トライク、ホットロッドスタイル、多彩なハーレーダビッドソン「ファミリー」たち


ハーレーダビッドソンの各モデルは「ファミリー」という名でカテゴライズされている。その新しいファミリーたちを紹介しよう。

普通自動車MT免許さえあれば乗れるうえ、重厚感漂うスタイルと高い実用性まで備えているトライク。これまでは「TRI GLIDETM ULTRA(トライグライドウルトラ)」のみのラインナップだったが、待望のニューモデル「FREEWHEELER(フリーウィーラー)」が登場した。

洗練されたルックス、安定性に秀でたフレームなど、2輪ビギナーにもプッシュできる出来栄えだ。さらに、エンジンは最新のミルウォーキーエイトで、タンデム時でも鋭い加速が得られ、サウンドも大迫力。フルフェイスヘルメットを2個収納可能な大容量カーゴも標準装備している。既存のトライグライドウルトラより手が出しやすい357万2000円〜という価格も見逃せない。



シンプルなホットロッドスタイルを貫く「Street Glide Special(ストリートグライドスペシャル)」のハードキャンディーカスタムは、339万8600円。ミルウォーキーエイト 107エンジンや新型サス、リフレックスリンクドブレーキが採用されており、ケタ外れに落ち着いた乗心地が味わえる。

「Heritage SoftailTM Classic(ヘリテイジ ソフテイル クラシック)」は、古き良きアメリカの匂いが魅力。どっしりとしたタフさが滲む低重心設計、伝統のツインカム103エンジンなど、クラシックなスタイルが幅広い世代を惹きつける。ビビットブラックは245万8000円。

取り回しが容易でABSを標準装備する、街乗りに適した「Harley-Davidson Street 750(ストリート750)」。2017年モデルからタンクメダリオンがリニューアルし、ツートンの塗装オプションも追加されている。デラックスカラーで102万8000円。







2017年モデルは、ほかにも総勢32モデルがスタンバイしている。ハーレーダビッドソンは、街乗りはもちろん、『イージー・ライダー』のようなロングツーリング、さらにカスタムやファッションなど、それぞれのオーナーによって愉しみ方が違う。どのモデルを選ぶのかは、オーナーのライフスタイル次第だ。よりグレードアップしたハーレーダビッドソンの2017年モデル。まさに余裕のある大人の男のバイクといっていいだろう。