『スポーツエリーゼ』と聞いて、どんな車かすぐに想像がついた人は、相当の英国車通かレース好きだろう。『スポーツエリーゼ』は『ロータス エリーゼ』のワンメイクレース用に開発されたレースカーだ。当初、市販化の予定はなかったが、ロータスマニアの熱烈な要望を受けて市販モデルが発表されることになる。それが『ロータス エキシージ』だ。2000年の発表後、3代にわたり進化を遂げた。その『エキシージ』の究極版が『エキシージ スポーツ350』である。

徹底して軽い車体に3.5L・V6スーパーチャージャーを搭載したエキシージスポーツ350


『エキシージ スポーツ350』の特徴をひと言で述べるなら、とにかく「軽い」ということだ。ボディはオールグラスファイバー。そこに、軽量なバッテリーやエンジンマウント、シフトノブを露出したセンターコンソールの採用、HVACパイプの軽量化、防音材の最適化などにより、クーペの重量は『エキシージS』よりも51kgも軽い1125kgを実現。ロードスターはさらに軽く、車両重量1115kgとなった。

この軽量ボディに、最大出力350ps/7000rpm、最大トルク400Nm/4500rpmの3.5L・V6スーパーチャージャーを搭載するのだから、動力性能の高さは想像に余りある。3.9秒で100km/hまで到達し、トップスピードは時速274km/hに達するという。

パワーを余すことなく走行性能へと昇華させるために、サスペンションには硬めのダンパーと改良されたジオメトリーを採用し、反応性を向上させた。また、低めの重心や4ピストンのブレーキキャリパーの効果も加わり、英国ノーフォークのヘセルにあるロータス本社のテストコースで『エキシージS』よりも2.5秒速い1分29秒8のラップをたたき出している。







トランスミッションは6速MTと6速AT。6速ATでは、ステアリングの後部に設置されている鍛造アルミパドルでマニュアル操作もできる。ESP(エレクトロニック・スタビリティ・プログラム)は、「ドライブ」「スポーツ」「レース」「オフ」の4モード。「スポーツ」「レース」モードはトラクションスリップの閾値がより高く、制御が入るまでのドリフト角がより広くなるという。


軽量スポーツシートに『ロータス エスプリS1』以来の伝統「タータン柄」を採用


エクステリアでは、従来型のグラステールゲートに代わって、軽量かつ強度・剛性の高いリアルーバー付きテールゲートを採用。重心をさらに低くしつつ、エンジンベイの放熱性も高めた。これは、1980年に『ロータス・エスプリ ターボ』に最初に採用された機構である。

インテリアでは、軽量スポーツシートやドアパネルに、レッドまたはイエローのタータン柄を採用。このタータン柄の歴史は、1976年の『ロータス・エスプリ S1』まで遡る。当時のファッションと合わせて大胆に個性を演出したものだったが、現代のロータスにも伝統的な息吹を吹きこんだ。







ロータスは、その伝統のなかで「軽量」を最も重要な価値として位置づけている。まさに、その価値を具現化した『エキシージ スポーツ350』。走りの純度を極限まで高めた1台は、車が持つ「走る」「曲がる」「止まる」が高次元で融合したドライビングプレジャーを堪能させてくれることだろう。