“ホットハッチの祖”と呼ぶべき初代「ゴルフGTI」のデビューから40年。フォルクスワーゲンは、それを記念してゴルフGTIに2つのスペシャルモデルを登場させた。ひとつは、2016年5月に発売された「クラブスポーツ トラックエディション」、そして、もう1台が「クラブスポーツ ストリートエディション」である。クラブスポーツの第2弾となるストリートエディションは、トラックエディションと同様、標準モデルよりパワーアップされたエンジンとアグレッシブな専用エクステリアを採用しながら、その名が示す通り、日常での使い勝手にも応えた欲張りなモデルだ。

2.0Lターボを搭載するクールな走りのホットハッチのベンチマーク「ゴルフGTI」


ゴルフGTIは、1976年に誕生したゴルフのハイパフォーマンスモデル。実用ハッチバックにもかかわらず、リアルスポーツカーに迫る運動性能を実現し、その走りから「ホットハッチ」というジャンルを作り上げた偉大なモデルである。

GTIは、ゴルフのモデルチェンジとともに進化し、現在は7世代目が販売されている。クラブスポーツシリーズの前に、まずは現行ゴルフGTIについておさらいしておこう。

エンジンは、2.0L直列4気筒ターボ。最高出力162kW(220ps)/4500〜6200rpm、最大トルク350Nm(35.7kgm)/1500〜4400rpmを発揮し、1390kgのボディを6.5秒で100km/hまで加速する。トランスミッションは、フォルクスワーゲンが得意とする6速のデュアルクラッチトランスミッション「DSG」に加え、いまどきめずらしい3ペダルの6速MTから選択可能だ。

このパワーを受け止める足回りは、もちろんGTI専用チューンのスポーツサスペンション。電子制御式ディファレンシャルロック「XDS」により、正確なハンドリングを実現する。装着されるホイールは、標準で17インチ、アダプティブシャシーコントロール「DCC」装着車が18インチだ。

その走りは官能的というよりクールと表現するほうが適切だが、加速、減速、そしてコーナリングも、ドライバーの思うまま。スタンダードな「ゴルフ7」が持つ基本性能の高さを、最大限まで引き出している。ルノー「メガーヌRS」やひとクラス下のプジョー「208GTI」など、ホットハッチと呼ばれるライバルたちは多いが、ゴルフが常にCセグメントハッチバックのベンチマークであるように、ゴルフGTIもまたホットハッチのベンチマークであり続けている。





ゴルフGTIのパフォーマンスをさらに高めた究極のGTI「ストリートエディション」


ゴルフGTI40周年の記念モデル第2弾として登場した「クラブスポーツ ストリートエディション」は、GTIが持つパフォーマンスをさらに高めた“究極のGTI”というべきモデルだ。

2.0Lターボのエンジンは、最高出力195kW(265ps)/5350〜6600rpm、最大トルク350Nm(35.7kgm)/1700〜5300rpmと、じつに45psものチューンナップが図られている。また、一定条件下でキックダウンをすると約10秒の間、213kW(290ps)まで出力アップされるブースト機能も備わる。213kW(290ps)という数値は、四輪駆動を採用したゴルフのフラッグシップ「ゴルフR」をも超えるハイパワーだ。トランスミッションは6速DSGのみで、0-100km/h加速は5.9秒。高められたパワーに合わせて、ブレーキも強化されている。

空力を最適化すると同時に、よりアグレッシブなムードを醸し出す専用バンパーやリアスポイラーを採用。これはクラブスポーツシリーズとも共通する装備だ。赤いアクセントが入るアルカンターラのステアリングも、走りを予感させるアイテムのひとつ。アダプティブシャシーコントロール「DCC」も標準装備となる。





「ストリートエディション」は、走りにこだわりつつ普段使いしたい人におすすめ


トラックエディションともっとも異なるのは、足回りとシートだ。トラックエディションが19インチホイールとレカロ製バケットタイプのシートを装備するのに対し、ストリートエディションのホイールは18インチ、シートは専用デザインながら、標準のGTIと同形状のスポーツシートを採用し、日常での快適性に配慮した仕上げとなっている。


さらに、トラックエディションではルーフがブラックとなるが、ストリートエディションはボディと同色。スマートエントリー&スタートシステム「Keyless Access(キーレスアクセス)」が装備され、使い勝手が高められているのもストリートエディションの特徴だ。

ボディカラーは、165台限定の「ディープブラックパールエフェクト」と、185台限定の「オリックスホワイト マザーオブパールエフェクト」の2色。合わせて350台の限定販売となり、価格はそれぞれ449万9000円となっている。





サーキットを走るならトラックエディションもいいが、走りを追求したハッチバックとして普段使いしたい人にはストリートエディションがおすすめだ。日常からサーキットまであらゆるシチュエーションで活躍する、ホットハッチの魅力を凝縮した1台といえるだろう。