アストンマーチンのCEO、Dr.アンディ・パーマーをして「世界でもっとも美しいクルマを目指して製作した」と言わしめた車。アストンマーチンのあるべき姿を極限まで追求すると同時に、卓越したデザインと最新のテクノロジーを融合するために生まれた車。それが『DB11』だ。『DB2』『DB4』『DB5』の系譜を受け継ぎ、『DB9』の後継モデルとしてデビューした、現在のアストンマーチンのランドマークモデルである。

心臓部に5.2L・V12ツインターボ、アストンの量産車歴代最強の性能を持つ『DB11』


『DB9』の後継として登場したと聞くと、「『DB10』はどこにいった?」という疑問が湧くかもしれない。じつは『DB10』は、「007シリーズ」でジェームズ・ボンドのために特別に開発された1台。これは市販化されなかった。

『DB11』最大のトピックスは、独自開発の5.2L・V12ツインターボエンジンの採用だ。『DB9』の6L自然吸気エンジンからはダウンサイジングされたが、ツインターボを採用することでトルクを増強。最高出力608ps/6500rpm、最大トルク700Nm/1500-5000rpmを発生させ、最高速度は322km/h、0-100km/h加速は3.9秒を実現した。これは、アストンの量産車では歴代最強の数字となる。



エンジンに組み合わされるトランスミッションは、ドイツの自動車部品メーカーZF製の8速オートマチック。シャーシには軽量なアルミニウムを採用した。また、ステアリング、エレクトロニクスも全面的に見直されている。

走行時には、「GT」「スポーツ」「スポーツ・プラス」を任意に設定できる「ダイナミック・モード」が運転の愉しさをより高めてくれる。エンジン、トランスミッション、パワステ、制動によって作動するトルク・ベクタリングのレスポンスはモードに合わせて変更。そして、より優れた俊敏性を実現するために、アダプティブ・ダンピング・システムと呼ばれる減速力調整機能を装備した。結果として、GTカーのような快適な乗り心地も、スポーツカーの卓越した運動性能も手に入れた。







熟練工がハンドメイドで仕上げた『DB11』のブリティッシュエレガンスなインテリア


デザインは、ひと目でアストンマーチン、そして『DB』とわかるアイコニックなもの。上から覆い被さるようなクラムシェル・ボンネット、印象的なLEDヘッドライト、アストンマーチンならではのグリルとそのアクセントラインは、歴史を継承しながらも、新鮮な要素も採用している。

そして、革新的なエアロダイナミクスもデザインに影響を与えた。下面を流れる空気を制御することで安定性を向上させつつ、アストンマーチン特有の流麗な面構成の実現に貢献したという。



内装はデジタルと職人技が高次元で融合した造作だ。装備面では、テクニカルパートナーであるダイムラーと共同開発した最先端のテクノロジーを採用。キャビンの細部はアストンマーチンの熟練工がハンドメイドで仕上げることで、雰囲気はブリティッシュエレガンスそのものを実現した。ちなみに、キャビンスペースは大幅に拡大されており、ドア開口部の大きさと相まって、乗降もしやすくなっている。




アストンマーチンは2013年に創立100年を迎えている。Dr.アンディ・パーマーいわく、『DB11』は「アストンマーチンが最近発表したクルマのなかでもっとも重要なモデルというだけでなく、103年に及ぶ歴史のなかでも非常に重要なモデル」とのこと。次の100年に向けての最初のモデルとなった『DB11』は、歴史にその名を刻む1台となるだろう。