スウェーデンに本社がある少数生産のスーパーカーメーカー「ケーニグセグ」が2016年9月、ケーニグセグ・ジャパンを設立し、日本でのビジネスを本格始動させた。それに伴って世界初公開されたのが、世界限定わずか3台、価格2億6000万円超の特別モデル「アゲーラRSR」だ。しかも、この希少な3台はすべて日本で販売されるという。

生産モデルすべてをオーダーメイドで仕立てるスーパーカーメーカー・ケーニグセグ


ケーニグセグは1994年にスウェーデンで設立された新興のスーパーカーメーカー。最初にケーニグセグの名を世界に知らしめたのは、2005年に発表された「CCR」だ。同年2月にイタリア・ナルドサーキットで388km/hを記録し、それまで市販車の最高速度記録を保持していたマクラーレン「F1」を抜いてギネスに認定されたのである。CCRは、ブガッティ「ヴェイロン」が登場して記録を破るまで公称最高速度記録を保持していた。

2006年には世界進出をにらみ、CCRの後継モデル「CCX」を発表。さまざまなスペシャルバージョンを生産したのち、2011年から「アゲーラ」を販売している。

ケーニグセグの全モデルに共通するのは、世界最高峰のスペックと独創的なメカニズム。クルマはクラフトマンによるハンドメイドで生産され、すべてがオーダーメイドによるスペシャルバージョンといっていいシロモノだ。また、少数生産のスーパーカーメーカーだけに、年間の生産台数はわずか数台程度。希少価値も非常に高いのである。

今回のアゲーラRSRは、世界で25台が生産された「アゲーラRS」の最後の3台にスペシャルカスタマイズを施したものだ。パワートレイン、ボディワーク、もちろん走行性能も、アゲーラRS史上最高の完成度に高められている。



価格2億6000万円以上、最高出力1200hpの超ハイパワーを誇る「アゲーラRSR」


アゲーラRSRが搭載するエンジンは、自社開発の5.0L・ V8ツインターボ。サイズはコンパクトだが、最高出力1200hp、最大トルク1300Nmと、ブガッティ「ヴェイロン グランスポーツ」と並んで世界最高クラスのハイパワーを誇る。

トランスミッションは7速AT。「ケーニグセグ・エレクトロニック・スタビリティコントロール(KES)」に加えて、「ウエット」「ノーマル」「トラック」の3つのエンジンモードを愉しめる。



また、ボディとシャシーの大部分にカーボンファイバーが用いられているので、全長4293mm×全幅2050mm×全高1120mmのボディサイズに見合わず、アゲーラRSRは1395kgと軽量だ。このパッケージが織りなす加速と走行性能はもはや異次元。一度アクセルを開ければ、まるでカタパルトから発進する戦闘機のように、高速域に“射出”されることだろう。

ボディメイクも美しい。デザインのモチーフは、2014年から2015年にかけてプロトタイプを含めた計7台のみ生産がされた「One:1」。ルーフインテークやリアウイングなどボディ全体に最高出力1360psのモンスターマシン、One:1の遺伝子を見ることができる。

ルーフは取り外しが可能で、そのままフロントラゲッジに収納できる。カーボンのパターンが美しいインテリアを覗くと、オーディオにはUSBポートを備え、MP3プレイヤーにも対応。そして、エアコンも備えるなど、快適機能にも抜かりはない。そこには、サーキットでのスポーツ走行だけではなく、アゲーラRSRで休日のドライブも愉しんでほしいという開発者の意図が込められている。







ケーニグセグの次期モデルは最高出力1500phを発生するハイブリッドスーパーカー


じつは、ケーニグセグの創業者であるクリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏はまだ45歳。幼少時からクルマに魅了され、最初の「CCプロトタイプ」を発表したときは22歳だった。その後も、最先端技術を追い求め、重量189kgのコンパクトな5.0L・V8エンジンで1000馬力以上を発生させるという、極限のテクノロジーを実現した。ケーニグセグ氏は、現在の自動車業界における天才のひとりなのだ。

このケーニグセグのライバルとなるのが、やはり少数生産のイタリアのスーパーカーメーカー、オラチオ・パガーニ氏率いる「パガーニ」である。限られたオーナーしか手にすることのできない超高額かつ希少な限定生産、極限まで作りこまれ、芸術の域に近い車体など、この2つのスーパーカーブランドには共通点が多い。

ただし、どちらが最新技術の導入に積極的かといえば、やはりケーニグセグだろう。アゲーラRSRに加え、次期モデルのケーニグセグ「レゲーラ」(下の写真)はハイブリッドパワートレインを採用。5.0L・V8ツインターボエンジン+3モーターを組み合わせ、なんと1500phを発生させることに成功している。





ケーニグセグの正規代理店が日本に誕生するのは、金融危機を受けて撤退した2008年以来、2度目のことだ。ケーニグセグが再上陸したことで、スーパーカー市場もきっと盛り上がりを見せるはずである。

ちなみに、世界限定3台のアゲーラRSRは、その3台のうち、すでに2台が売約済み。残りの1台を手にするのは果たしてどんなオーナーか、その点も興味深い。