腕周りの筋肉を鍛えるためにダンベルを利用したトレーニングを行う場合、自然と持ち上げる動作を重視してしまっている人が多いだろう。しかし実際には、持ち上げる動作より下ろす動作を重視するのが大事だという。こうしたトレーニング手法をアメリカでは「ネガティブトレーニング」といい、人気を博している。そこで、ネガティブトレーニングのしくみやメリット、実践法について詳しく聞いた。

■今回のアドバイザー
Body Work Space EVOLEV.代表
有馬康泰さん


初心者からトップアスリートまで長きに渡って指導し、その培ったトレーニングノウハウを活かして2014年3月に「Body Work Space EVOLVE.」をオープン。雑誌やメディアなどでも積極的に活動を行い、カラダづくりの魅力や運動の重要性を発信。裏付けのあるトレーニングと説得力のあるカラダを武器に“カラダは最高のファッション”と提唱している。


「ネガティブトレーニング」の特徴は、上げる動作より下げる動作を重視すること


まず、ネガティブトレーニングの特徴を聞いてみよう。

有馬さん「ダンベルを持ち上げて腕を鍛えるアームカールのような筋トレは、主に『ネガティブ』と『ポジティブ』という2種類の動作で成り立っています。ヒジを曲げてダンベルを持ち上げる動作が“ボジティブ”、反対にヒジを伸ばしてダンベルを下ろす動作が“ネガティブ”となります。

ポジティブ動作の方が筋肥大に効果的だと思われがちですが、筋肉をゴムに例えると、実はネガティブのほうが有効ということがわかるでしょう。縮むときよりも伸びるときのダメージが大きいゴムと同様に筋肉も、ポジティブ動作よりネガティブ動作でヒジを伸ばす際のほうがダメージは大きいのです。筋肉痛の原因も多くはネガティブ動作です。つまり、筋肥大を目指すならネガティブ動作を重視した『ネガティブトレーニング』がオススメというわけです」



ポジティブ動作はスムーズにネガティブ動作はゆっくり行うのが「ネガティブトレーニング」のコツ


では、実際どういったトレーニングがあるのか?

有馬さん「実際にダンベルを使用したアームカールでのネガティブトレーニングのやり方を解説したいと思います。

まず、ダンベルの重量を決めます。アームカールを行い、ギリギリ10回ダンベルを持ち上げられることを目安に自身にあった重量を探しましょう。

アームカールの動作はポジティブ動作を1〜2秒間でスムーズに行い、ネガティブ動作ではゆっくり時間を使い5秒間かけて下ろします。このときにできるだけ負荷を逃さないようにコントロールして下げるのがポイントです。これでアームカール1回として、10回行うことで1セット終了になります。

セット数をこなしていくうちに、ポジティブ動作を行うのが難しくなります。ダンベルを上げることができなくなったらトレーニング終了してください。初めての方や慣れていない方は、一度のトレーニングで3セット行うことを目標にするといいでしょう。慣れてきたら、最高5セットを目処にセット数を増やすとさらに効果が上がります」



上級者になったら筋肉の反動を利用する「チーティング」もオススメ


そして有馬さんは上級者向けの方法も教えてくれた。

有馬さん「上級者向きですが、腕の筋力が限界となり最終的にダンベルを1回も持ちあげられなくなっても、最後に数回だけ他の筋肉の反動を利用する『チーティング』という方法で上げることができます。上げれば下ろすことは可能なため、限界に達して上げることができなくても、チーティングで上げることでネガティブ動作は可能です。それは筋肉に強い刺激を与えることができ筋肥大に効果抜群。ただし、初心者が下手にこれを行うとトレーニング効果が下がったり、フォームが崩れてケガをしたりする可能性もあるため注意してください」



最後にアドバイザーからひと言


「トレーニングのあとはしっかりタンパク質を摂取しましょう」